今年も今月を残すのみとなり、ますます冷え込んできた今日この頃。

蓮二の部活も終わって、さぁ帰ろうという時でした。


「手袋忘れた…!!」

「……」

「マフラーは忘れなかったのに…」

「今日は手袋か…」


そう、昨日はマフラーを忘れて手袋を持ってきていたというのに今日はマフラーを持ってきて手袋を忘れたのだ。

我ながら馬鹿すぎる。


「うぅ…」


手を擦り合わせて息を吹きかけたりするけど寒い。
そういや、蓮二は手袋してないけど寒くないんだろうか。


「寒くないと言ったら嘘になるかもしれんが運動した後だし、こうしてポケットに入れてるからな」

「な…」

「「何でわかったの」と、お前は言う」

「う…」

「顔に出ていたぞ」


微笑みながら言う蓮二は相変わらず格好いい。

恥ずかしくなって思わず両手で頬を抑えて俯いたら頭を撫でられた。


「うー…」

「さっきから唸ってばっかりだな。ほら、帰るぞ」


そう言って蓮二は、頭を撫でていた手を差し出してきた。


「え?」



蓮二の顔と手を交互に見やる私に苦笑を零し、私の手をとって歩き出した。


「途中であんまんでも買って食べようか」

「う、うん!」


「蓮二と手を繋げるなら手袋いらないかな」なんて言ったら「別に言ってくれればいつでも繋いでやるぞ」って笑われた。

今日のあんまんは一段と甘く感じたのは気のせいじゃないと思った。
そんな冬の日。



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20091202~20100613

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