「メリークリスマース!!」

「………」

「弦一郎?」

「む、なんだ名前」

「…ブッシュ・ド・ノエル嫌いだった?」

「いや、今まで口にしたことはないが名前の作ったものなら何でも上手いだろうから問題ないぞ」

「じゃあなんでそんな眉間に皺寄せてるの?」

「いや、何でもない」

「弦一郎…」

「む…」

「私じゃ言えない?」

「いや、そういう訳では…」

「じゃあ言って。折角のクリスマスなんだから弦一郎と笑顔でいたい」

「よし、わかった」

「うん」

「その、だな…」

「うん」

「こ、こここここ」

「…?」

「これを着て欲しいのだ!」

「………」

「…名前?」

「弦一郎?」

「なんだ」

「これ、どうしたの?」

「うむ!仁王がくれたのだ!」

「なんて?」

「『クリスマスは彼女にミニスカサンタの格好をさせるのが定石なり』と言われてな」

「………」

「名前?」

「弦一郎は私に着て欲しいの?」

「うむ。仁王に言われなかったら、思いつきもせんだったろうが名前によく似合うと思う。駄目、か?」

「………」

「…名前?」

「弦一郎はないの?」

「む?」

「だって私だけだなんて狡い」

「し、しかし俺は何も持っていないのだ」

「むう…」

「ぬう…」

「あ、じゃあ今日の主導権くれたら許してあげる」

「…何?」

「ふふっ、弦一郎の体って逞しくて好き」

「な、や…やめんか名前!」

「だーめ」

「ま、まだお前はこの服を着ていない」

「う…」

「それにこのぶっしゅ・ど・のえるとやらを食べていないだろう」

「…わかった。じゃあ着替えて食べた後なら良いのね?」

「う、あ…いや、まあ…うむ」

「今日は『破廉恥』だとか『たるんどる』だとか言わないんだね」

「……まあ、な」

「弦一郎ってば可愛い」

「男に可愛いなどと…!」

「ふふっ着替えてくるから、ちょっと待っててね」

「名前!人の話は…」

「え、何?此処で着替えて欲しいって?もう弦一郎ったら大胆!」

「たたたたるんどる…!!」



20091231

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