「はぁ暖かかった…お風呂も入ったし寝ようかな」
「Merry Christmas、名前」
「………」
「ああ、おかえり」
「あれ、私部屋間違えたかな」
「間違ってないぞ」
「じゃあなんでいるの。しかもその格好は何」
「今日はクリスマスイヴだ」
「それはわかった事にしとくけど、何で此処にいるの」
「名前と共にクリスマスを迎えようと思ってな。そうだ、明日はどこへ行きたい?」
「私が聞きたいのはどうやって入ったかよ。お父さんもお母さんも寝てるのに」
「…企業秘密だ」
「さっさと帰れ、不法侵入者!」
「恋人に向かって『不法侵入者』はないんじゃないか?」
「だって本当の事じゃない」
「仕方ない、まだ秘密にしとくつもりだったんだがな。実はお前の母親に合鍵をいただいたんだ。ほら」
「…そういやお母さん、蓮二のこと気に入ってたね……」
「一緒に寝てやるから機嫌直せ」
「え、やだ」
「地味に傷つくぞ」
「知らない」
「何が不満だ」
「別に…」
「ふむ、俺が名前の母親と仲が良いのが気に入らない確率87%」
「………」
「違うか?」
「…違くない」
「ふっ…」
「笑うな馬鹿」
「何、嫉妬する名前が可愛くてな」
「う、うるさい!」
「俺には名前だけだから安心していいぞ」
「そんなこと……わかってる…」
「なら良いだろう?」
「…い、やだ」
「嘘はいけないな」
「う、嘘じゃないもん」
「ほら、おいで」
「……」
「名前」
「う……」
「ふ…良い子だ。さぁ、寝ようか」
「…うん」
「おやすみ、名前」
「おやすみ」
20091225