何度繰り返しても似たような結末で終わる世界。

 それを思い出すのは、いつも決まって終わる直前。

 狡いよこれ。

 死ぬ直前になって思い出したって、もうどうしようもない。

 どうしてこんな仕組みなんだろ。

 どうしてこんな世界なんだろ。

 争いなんて無い世界が一番なのに、何で、高学歴のお偉い人々はその事が分からないんだろう。

 いや、でもさ。

 そもそもこの世界が争いに満ちていて、争う事で存続する世界なのだとすれば。

 争うしか、ないんだね。

 成程。

 あーあ。



 結局、またここから始まるのか。



「……君は? 9組の候補生か」

「はーい、お察しの通り。みんなのアイドル、ナギからの頼みで急遽参戦。9組のリカです。宜しくね」

 君といたいのに、いられない。

「――確か、この間の作戦で一緒だった」

「どうもー。リカです。覚えていてくれたんだね」

「君もチョコボが好きなのか?」

「うん。私、卒業したらここに就きたいんだよね」

 君の結末は、いつも死≠ナ。

 私の結末も、似たり寄ったりで。

「リカ? どうして……まさか一緒に行く気か?」

「当たり前っしょー。とはいっても後方支援だけどね。私は魔導院にいるナギや武官達との通信に徹するから。ま、後ろからちょろちょろついていくだけだから。気にせず気にせず」

 君といたいのに、ただそれだけが叶わない。

 何て世界なんだろうね。

 しかも、それを何度も、狂うくらいに繰り返すなんてさ。

「――君は?」

「どうも、9組のリカって言います。あのアイドルの代わりに連絡事項を伝えに来ました。これからもちょくちょく関わると思うんで、宜しくね。0組の皆様」

 君といたい。

 どうせ死ぬのなら、結末は同じなら、その終焉に飲まれてもいい。

 一緒にいたい。

 生きる事自体が絶望と闇に苛まれるこの世界でも、死が決まった未来でも。

 君に、会えるのだから。

 
 


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