苦しい?

 悲しい?

 この世界が怖い?

 なら、俺が壊してやるよ。まあ何ていったってカオスだし。

「ティーダ……」

 何でそんな顔するんだよ。

 俺がこんな事を言ってるのが理解できない、ってか?

 まあそうだよな。だって今の俺、カオス側だし。

 ……いやカオスだったらむしろこの思考回路って当て嵌まってんじゃねーの?

 あれ? でも今の俺ってコスモス側の戦士を助けようとしているんだし、カオス側を裏切ろうとしているって事はカオスっぽくないって事か?

 うーん……。ま、いいや。

 コスモスだろうがカオスだろうがどっちでも。

 俺のやる事は決まってる。








 ティーダが言ってくれた。

 俺が全部ぶっ壊してやるよ、って。

 凄く、嬉しかった。

 何度も続くこの世界の、何度も続く敗北に、正直メゲそうになっていたのは事実。

 でも頑張ろうと気合を入れ直していたところにそんな事を言われたものだから、ふっと気が抜けてしまった。

 全部ぶっ壊す、か。

「そうしたら、元の世界に帰るのかな」

「多分そうなんじゃねーの? カオスもコスモスもぜーんぶ倒したら。きっと、な」

 そっか。

 君はまだ、元の世界での記憶が無いんだね。

 でも、なのに、私の事を気に掛けてくれた。

 凄く、嬉しいよ。

「なあ、ユウナ」

「何?」

「笑ってくれよ。俺、ユウナの笑顔、大好きだからさ。だから最後は絶対に笑っててくれよ」

「うん」

 ……あれ?

 私、君に名前を言ったっけ?




 

 
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