膝の上には尻尾をふりふり揺らした可愛くって男前のジタン。

 左側にはガンブレードの手入れをしつつもぴったりと身を寄せてくるまだまだ成長過程の美少年スコール。

 この布陣、完璧じゃね?

「何してるのバッツ?」

「お、セシル。ハーレムごっこ」

 俺が右腕をジタンの背中に回して抱き寄せると、ジタンもじゃれつくように抱きついてきてくれた。

 衣服に包まれた暖かい体温を感じる。服越しなのにスゲェ感触が良さそうな餅肌を感じる。

 ぴょこって立った尻尾が可愛い。つかジタンという存在そのものが本当に可愛い。

「いいなあ」

 ってセシルはにこにこと笑ってくる。そうだろうそうだろう。分かるだろうこの楽園が。セシルなら分かってくれると思ったぜ。

 すると通りかかってきたオニオンが小首を傾げて、

「何やってるの、そんなにくっついて」

 と訝しげに言ってきた。

 まあオニオンにはまだちょっと早いかなあ、分かんねえかなあ。このハーレムの凄さがさ。

 オニオンは首を捻りつつも去って行った。ティナの所にでも行くんだろう。

 ついでにセシルも軽く手を振ってどっかに行った。多分、気を遣ってくれたんだろうな。本当にいい奴だ。

 よしチャンス。

「んっ」

 スコールの身体がぴくりと跳ねる。

 ガンブレードの手入れもちょうど終わる頃だろ? 寂しいから相手して欲しいぜ。

 右腕でジタンを抱き寄せながら左手でスコールの尻や腰元を撫でると、スコールはガンブレードを仕舞って、とん、と俺の肩に寄りかかってきた。

 目線が合うと、ぷいっと逸らされる。

 かーわーいーいー。

 何この燃え滾る思い。

 あれか? 俺達の中で比較的文明が発達しているクラウドやティーダが言うところの、萌えってやつか?

 スコール萌え!

「何を馬鹿な事を言っている」

 額にデコピンを喰らった。痛い。けど楽しい。スコールがじゃれついてきているから。

「バッツー、俺は?」

「んー? ジタンはあれだ、カッコカワイイ系」

 って言い方もあるんだよな、確か。

 ジタンの尻尾がまたぴこぴこと左右に忙しなく揺れ動いた。

「んじゃあバッツは、黙ってればイケメン、だな」

 スコールの肩が淡く揺れた。口元に笑みが浮かんでいて、

「合ってるな」

「何だよ、黙ってればって。お前らがいる限り黙るなんて無理!」

 うりうりうり、とジタンとスコールの顔を引き寄せて頬を擦り合せると、ジタンが弾けたように笑った。

 スコールもさ、されるがままって事はつまり、俺に結構気を許してくれているんだろ?

 ほんと可愛いんだからお前ら!




 

 
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