「眩しい奴」

 目も眩みそうな、けれどまっすぐに見つめていたい君に、敬服の意味で膝元にキスを。

「大した手伝いはできないが」

 でも褒めてくれた君に、感謝の意味で左手にキスを。

「こちらこそ、……頼む」

 鍛錬と研鑽を重ねた、既に立派な称号を頂く君に、親愛の意味で右の頬にキスを。

「あんたも無茶して進むなら、許さないからな」

 時には己の身さえ厭わず庇う君に、嘆願の意味で瞼にキスを。

「有り難う。……俺も愛している」

 風のように掴み所が無いのに、炎より熱い想いを告げてくれた君に、恋情の意味で唇にキスを。

「俺も……信じてもらえて、嬉しいんだ」

 ふと気が緩んだ瞬間に甘えさせてくれる年上の君に、信愛の意味で鼻先にキスを。

「俺は、服従はされない」

 けれど確かな実力を持ち、背中を預けて安堵できる存在の君に、信頼の意味でこめかみにキスを。

「……お前こそな」

 面倒見が良く、だからこそ自分自身の事も気にかけて欲しい君に、慈愛の意味で左の頬にキスを。

「笑う必要は無い。……それでも充分に、伝わっていると分かっているから」

 誰よりも明るく、前向きで、太陽のように温めてくれる君に、友情の意味で額にキスを。



 そう。

 ちょっと照れ屋であまり表情を変えない君は、それでも確かな言葉と態度で、揺るぎない愛を伝えてくれる。

「みんな、大好きだ」

 あ。頬がちょっぴり、ほんのり赤い。




 

 
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