「ん」

 すべすべ滑らかほっぺに、キスを一つ。

 すると、元から仏頂面のスコールの眉根に、ぎりりと皺が寄せられた。

 傷跡があるから分かりにくいけど、今、確かに、ギリィって感じで皺を寄せた。

「何をしている」

「キス」

 一言で答えて、俺はそっとスコールの額に唇を寄せる。

「気を付けて行ってこい、と」

 頬にもう一回。

「可愛いな、と」

 唇に近づいて、

「愛してる――」

 胸を突き飛ばされた。

 いきなりだから受身も取れずに無様に尻餅をついてしまう。

「ってて……何すんだよ」

「こっちの台詞だ」

 ぎりりりりりって眉根を寄せてスコールが見下ろしてくる。いや、見下してくる。

 その目線にすらもぞくぞくする俺は、もう末期なんだろうか。




 

 
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テーマ「人外ファンタジー」
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