斬っても斬っても次から次へと敵が来る、次、次、次って、まるで演劇のようにテンポ良く続々と敵さんがやってくる。
僕も、次、次、次って、目に付いた奴は斬って斬って斬っていく。
マザーのため。
仲間のため。
そして、自分のために。
ああそれにしても人って脆いなあ、いや僕が強すぎるのかな?
僕、移動するのは遅いってさんざんみんなに文句を言われるけど、攻撃し始めたらそりゃもう強いんだからね。だから移動の遅さだけは勘弁して下さい。丸。
あ、エイトだ。もう、いつ見ても惚れ惚れするなあ、エイトの格闘技は。
あんまりにも綺麗で流れるように動いているから、まるで神様にでも奉納する演武みたい。そうするとエイトに殺されている皇国軍の奴らは生贄って奴かな。あは。
エイトに触れて死ねるんだから、この上ない幸福って思いなよ。雑魚のくせにさ。
あ、何か腹が立ってきた。この戦闘が終わったらエイトに頭をなでなでしてもらおう。機嫌が良かったらチューもしてくれるかもしんない。
そうと決まれば善は急げ。
こんなつまらない糞みたいな任務、さっさと終わらせて――、
「――エイトぉ!!」
生贄風情の雑魚が、エイトの真後ろで銃を振り上げてる!
僕の喉から女の子みたいな情けない悲鳴が出る。
エイトはそれに素早く反応して素早く回避した。澄ました顔のまま回し蹴りを食らわせる。
どさ、って、何か、肉の塊みたいな物がくずおれるような音がした。
「すまない、ジャック」
にか、ってエイトが微笑んでくれる。
ああもうなんて可愛いんだろ。
この任務が終わったら思いっきり構ってもらおう。
何をねだろうかな。
エイトからのチューかな、膝枕かな、ああもういっそ毛繕いとか!?
「取り敢えず落ち着いてくれないか、ジャック」
うるさいよエース。