運命か。
必然なのか。偶然なのか。
あるいは、単に大人達の企みに巻き込まれただけなのか。
それとも、自分の選択で掴み取ったのか。
未だに答えは分からない。
できるなら、死にたくはない。
まだ、もうちょっと生きていたい。
けど、あの時に、もう結論を出してしまった。
大いなる封印。
自分の体力を全て使い切った結果。
「ねえ」
「何だい?」
「結構、早かったね。だってまだ十七だよ。私達」
「そうだな。青春真っ盛りの年頃だ」
「まだ高校生だし」
「このまま眠るのか」
「そしてもう二度とみんなに会える事も無いの」
「忘れられていくのか」
「ええ。きっと」
「忘れられていく」
「そしてみんなは前に進んでいく」
「ゆかりも、風花も、桐条先輩も」
「順平も、真田先輩も、荒垣先輩も、天田君も、コロ丸も」
「みんな俺達を置いて行く」
「そして前に進んで行く」
「怖いね」
「怖いな」
「けど」
「何?」
「みんなは進むけど、きっと俺達も置いて行くんだろうな」
「……置いて行くのね」
「ああ」
「そして置いて行かれるのね」
「そして俺達はここで終わる」
「これが私達の結末」
「これが俺達の結末」
「だけど」
「でも」
「死と生は表裏一体」
「生と死は表裏一体」
「だから」
「そう」
「ずっといるよ」
「ここにいるよ」
人間がニュクスを望む限り。
ニュクスが人間に近づいていく限り。
だから寂しがらないで。
そして頑張って欲しい。
生きる事。
前を向く事。
頑張る事。
生きる事に、全力を賭して欲しい。
いずれ必ず来る、もう一度会えた時のために。
その時に、みんなの話を聞くのを、待っているよ。