君はいつも頑張ってるね。


 用具委員会のお仕事で、壊れた物を修理したり。


 演習でたまに委員会に出席できない委員長の代わりに、下級生に指示を出したり。


 その委員長がいる時は、やっぱり健気に指示を聞いて黙々と作業に当たっている。


 そして、滅多に無いけど委員会が休みの時も、ペットがいなくなって泣きそうな顔で探している孫兵を見かねて夜遅くまで脱走した毒虫を一緒に探してあげたり、藤内の予習に付き合ってあげたり。


 委員会以外の時間でも、見かければ喜三太に声をかけるし、しんべヱの鼻水も拭き取ってやっている。


 極め付けには、あの二大方向音痴の保護者だ。


 あの二人のお守りにはいつも親友の君が押し付けられる。そしていざ二人がいなくなった時、みんなが頼りにするのも君だ。


 君はみんなの期待に応えて二人に綱を繋いではぐれないようにして、いなくなったら全力で探しに行く。


 かくいう僕も、保健委員ならではの不運さで穴に落ちたり罠に引っかかったりした時は、大抵君に助けてもらっている。

 ほんと、休む暇も無いくらい、君は頑張ってる。


 だからさ、ねえ、たまにはゆっくり休んでよ。

















「今日は三之助も左門も委員会だね」


「そーだな。あー、何かほっとする……あ、いや、いなくなった方がいいってわけじゃなくて。迷子になる心配が無いなって」


「ふふ、わかってるよ。――はい、どうぞ」


「お、サンキュー。……でも何で急にお茶会なんだ? や、楽しいからいいけどよ」


「たまにはね、作兵衛とゆっくりしたいなって。作兵衛、いつもいつも頑張ってるから。たまには休んでよ。……保健委員からの忠告」


「えっ、俺そんなに頑張ってないけど……まあ、せっかく保健委員さんが手ずからお茶を淹れてくれているんだし。……ゆっくりしちまおうかな」


「うん。してして」


 たまには、ゆっくりと休んでね。








 




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