【×月×日 観察者:笹山兵太夫

 一回目:朝、男子寮を出てすぐの所で。伊助が待ってた。僕や団蔵を置いて二人で登校しやがった。

 二回目:朝のホームルームが終わった後。さりげなくだけど虎若が伊助の手の甲にキスをしていた。伊助は顔を真っ赤にしながら微笑んでいた。

 三回目:一時間目の授業が終わった後。首筋にふっとしていた。また伊助は真っ赤になっていた。

 四回目:二時間目〃。頬にちゅってしていた。また伊助は(以下略)

 五回目:三時間の〃。額にそっとしていた。また(以下略)

 六回目:お昼御飯を食べている時。伊助が虎若の口元にふっとやっていた。米粒が付いていたらしい。虎若が凄く嬉しそうだった。

 七回目:校舎裏に行ってディープキス。知られてないとでも思ってんのかあの二人。僕だけじゃなくて団蔵や喜三太もによによしながら見ているんだけど。

 八回目:四時間目の〃。虎若が指先にそうっとしていた。流石に慣れたのか、伊助は真っ赤にはならなかった。でも嬉しそうに微笑んでいた。

 九回目:女子寮の前で。虎若が伊助を送っていた。別れ際に虎若が頬にちゅっとやっていた。伊助は真っ赤になって腕を振り回していた。外は嫌らしい。

 十回目:夜中の逢瀬。女子寮の裏庭でディープ→バード→ソフト→ディープのエンドレス。二人きりだからか伊助は凄く嬉しそう。

 備考:もうこんなつまんないの二度とやらない!!】


















「兵ちゃーん、結果どうだったー?」


「……一日平均七回。多くて十回。少なくて四回」


「あれ? 結局、一週間観察したんだ」


「これを見せた時の伊助が反応が見たくて」


「……あー」


「でもやめた」


「何で?」


「伊助、これを見たら顔を真っ赤にして逃げ出すどころか悶死しそうだから」


「だよねえ。そうした方がいいよ」







 





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