髪は墨のように濃くてサラサラで、肩に届く程度に切り揃えていて。
眼は墨みたいに深い色をしていて、肌は白くて。
腕も足も長くて細くて、いつも制服をきっちりと着込んでいて。
頭は良くて、やっぱりクラスで成績は一番で。
「俺さ」
「何?」
「最近、庄左ヱ門のことばっかり考えてるんだけど」
「へえ」
「髪が綺麗だなーとか、伊助と一緒に菓子を作ってる時の顔がスゲェ可愛いなーとか」
「……お世辞はやめてくれないかな」
「あ、顔が赤くなった」
「写メで撮るなっ!! 消せ今すぐに!」
「だーめ。これ可愛いから永久保存! はいパスワード付けましたー庄ちゃんでもどうにもなりませーんっと」
「この馬鹿旦那……! 私なんか撮ってどうする」
「愛でる」
「……私を?」
「うん」
「何で」
「だって俺、庄ちゃんにしか興味ないから」
「……昨日までさんざん女遊びをしていたくせに」
「だぁから女遊びは昨日までで終了なんだよ。今度は庄ちゃんを愛でる!」
「ふざけるな。適当なエロ雑誌でも買いなよ」
「やだ。庄ちゃんがいい」
「……何で」
「俺の頭ん中、庄ちゃんが占めてるから。だから俺、庄ちゃん以外の女には微塵も興味ねえもん」
頭ん中、お前ばっかなんだけど
何か俺、本気の恋をしたみたいだ。
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