ある帝国の衰退




企画サイトに提出しようと思ったけどボツ。だって途中からわけわからんくなった。でも、ここにはうpする。テーマは手紙。



親愛なる、ハツカネズミ閣下へ。
ヤマアラシ公爵よりお手紙申し上げます。

先日、我が国の西の川で行われました戦況についてお知らせいたします。
閣下もご存知の通り、先日逝去されましたライオン大公の御子であらせられるタイガー皇子と、タイガー皇子の御子であらせられるミケ様の確執が此度の戦の発端のようです。
ミケ様にはおもしろい噂がございまして、ライオン大公の実子なのだとか!
タイガー様の奥方であらせられるスマトラ様は、旦那に隠れて養父と子を成していたということです。怖や怖や。
だからでしょうな。タイガー様はミケ様を疎まれておったようです。
ミケ様はご存知の通り温厚な方。タイガー様のことを心配はせども、厭んではいなかったようでございます。

そして、事件は起こるべくして起こったのでございます!
先の桜の晩に逝去されたライオン大公が遺言を残しておられたのです!
遺言書の内容はこうでございました。

我が国の時期皇帝はミケである。

これを見たタイガー様は激怒されて、その場でミケ様を殴りつけたとか。
噂は推測の域を出ませんが、たしかにミケ様の右目は包帯で覆われているのを、私はこの二つのツブラな目でご覧になりました!
ええ、ご覧になりましたとも!
そんなひどい目にあわせられても、さすがはミケ様。
すかさず「我ら親子手を取り合って国を統治しようではないか」と声高に叫んだそうでございます。
しかしながら、タイガー様はミケ様をよくは思っておりません。
タイガー様は「貴様と馴れ合うつもりはない」と評議場を出て行かれたとか。
そして、すぐさまミケ様を討つための準備を始めたそうでございます。
一方、ミケ様はタイガー様のご様子を聞いて仕方なしに軍備に取り掛かりました。
親子で争うとは、嘆かわしいものでございます。まして、兄弟かもしれないのにでございます。
ミケ様の側には、あの高名な名将軍コモドドラゴン様、幾多の戦を勝利に導いた参謀ニシキヘビ様、一夜で一万匹のイヌを凪いだと言われますジャガー様などが参戦しておりました。
ライオン大公の遺言書がある限り、タイガー様は逆賊なのでございます。
ミケ様が有利なのは明白!
私もこのツブラな瞳で戦況を固唾を呑んで見守っておりました。
そう、見守っておりましたとも!
マヌケな雄鶏が3時間も間違えて鳴き声を上げる頃には、もう勝敗は明らかでございました。
ミケ様側についた兵士の数は3万に対し、タイガー様のほうは3千。
我が国の西を通る川を、タイガー様方についた兵士たちが流れていきました。
コモドドラゴン様の獰猛な牙に、体躯をかじられたものもおりました。
ニシキヘビ様に絞め殺されたもの、ジャガー様の爪の餌食になったものもございました。
我が国のことではございませんが、どのような魂であっても失われるということは大変嘆かわしいことでございます。

さて、我が君。
隣国の皇帝はミケ様となりました。
やがてミケ様よりハツカネズミ閣下へと書状が送られることでしょう。
ミケ様の好物はネズミなのだとか。
ヤマアラシめは、針があるから嫌いだと申しておりました。

親愛なるハツカネズミくん。
これは、友としての忠告でございます。
ミケ皇帝陛下に降伏せよ。







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