与太話




AとBとで、空を見る。
降って来たのは、無数の紙だった。

Aがひらりと落ちた紙を拾い上げて覗き込む。
白黒のパンダがいた。
Bも覗き込む。
白黒の滑り台があった。
AとBが目をこらすと、そこにAとBが歩いてきて何かを話している。

「今日は天気がいい」
「ああ、実に」
「君はこれからどうするつもりだい?」
「あすこの滑り台で首を吊るつもりさ」
「ほお、あすこで」
「ああ、僕には似合いの死に方だろう」

灰色の滑り台に、赤い絵の具がついた。
パンダがけらけら笑っている。彼らは白黒のままだ。
AとBはそれを熱心に見ている。
写真の中のAとBは、一緒に滑り台まで歩いていくと一本の縄を取り出した。
丈夫そうなやつだ。きっとちょっとやそっとじゃ切れやしない。
AとBは縄をしばって、首にかける。
やがて、だらりと事切れた。
まるでフイルムを見ているようではあったが、AとBはぞっとなる。

これは、今からおおよそ3分後の話だからである。





20110522
Submitted to fish earさま
written by Robin.






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