出三
※ぬるくエロ
※二人共偽物



ひさや、と呼ぶ声に、たまに鳥肌が立つ。それはその名前に埋め込まれた感情からだろうが。
その鳥肌が立つ呼び声にはいと小さく答えれば出馬さんの手は学校指定のシャツの上から脇腹を撫でる。

「……っ…」
「嫌そうな顔」

嗚呼、この人ちょっとマゾかも知れない。と内心で嘲笑うが表面に出す訳にはいかない。奥歯を噛んで吐き気を堪えて至極幸せそうに笑う出馬さんを睨んだ。

「まあええわ、今日は部屋おいで」
「…明日、数学で当てられるんで」
「ちょうどええやん、教えたるわ」

意地でも来さす気らしい。行けば間違いなく教えて貰える体力や気力を残さない癖に、嘯いてくれますね。
脇腹に合った手は腰を抱き寄せ、良い返事をくれるまで離さないのだろう。諦めてため息をかみ砕く。

「わかりました…」
「うん、ええ子やね」

スルリと名残惜しげに離れた手が頭に乗せられ、くしゃりと髪を撫でる。
本当に狡くて腹が立つ。僕が好きな表情で僕が好きな行為をして流す狡猾さ。

「ころしたい」

去っていく出馬さんの背中に出来もしない事を小さく叩き付ける。きっと気付いているのに、振り返る事も無く歩く姿にまた吐き気がした。


−−−

「っー…!」
「何度しても、慣れんな…!」
「なれ、る、わけ…っ!ひ…!」

体内に入って来る、所謂異物感と言われる物は何度体を繋げようが慣れる事は未来永劫無いだろう。
ぐち、と卑猥な水音が耳に入ってくる度顔を隠すより耳を塞いだ方がいいのではと思うが一度それをしたが故に出馬さんに腕を拘束された為、する訳にはいかない。

「や、う…っ、しぬ…!」
「はっ、ぐっちゃぐちゃ…」
「ひっあ、!」

恍惚とした表情で呟く出馬さんに捕まっていた肩に爪を深く立てるとその僕の行為にさえ欲情した様に笑った。

−−−

「で、数学どうするん?」
「…もう良いです、やる気無いです」
「僕はあるで」
「そっちじゃないですよ歩く下ネタ」
「せめて歩く18禁で」
「本当に呼ばれたいですか?」

色気もへったくれも無い会話は数分で途絶え、辛うじて上に掛けられた制服を手で押さえながら起き上がる。後始末をしても色濃く残る情事の跡に頭を押さえて堪えた。
明日の体育はどうしようか。と思案していれば出馬さんが近寄ってきた。

「なんですか」
「なあ久也、僕の事好きにならへん?」
「…うぜ」
「こら、必殺技かますで」

つい口に出た本音に出馬さんは冗談の様に言い返すが、恐らくこれは本気なのだろう。ぴりっとした空気に顔をしかめ、俯せに倒れ込んだ。
地味に腰が痛みを訴える。

「下心あるときの出馬さんは吐き気がして嫌いです」
「…散々やな」
「ですが、普通の時は好きです」

多分、と付け加えてから出馬さんを見れば気持ち悪いぐらいに顔を赤くして持っていたミネラルウォーターを床に落とした。






この人本気でした






___
キャラ崩壊
だがこんな二人が良い
出馬さん気持ち悪い、スゲー気持ち悪い
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