出三
※美術部パロ
※情事後
しゃっしゃっと画用紙に鉛筆が動く心地好い音がする。スケッチブックを片手で抱える様に支え、目の前の物を見詰めてそれを紙に移動させる出馬に三木は目を細めた。
ぱさりと肩に掛けていたシャツが備え付けのソファに落ちる。その音で我に帰ったかの様にハッと息を吐いてこちらを見る出馬にニコリと三木は笑った。
「…久也、寒ないん?」
「出馬さんに脱がされたはずですが?」
「……ヌードか…」
「描かせませんよ」
三木はじとりと出馬を睨みつけ、肌に散らばった赤い情事の跡を撫でた。
「久也、ホンマ何か着てくれへん?」
「盛らないでください」
「まだ大丈夫やから早う何か着て」
渋々と三木はソファに落ちた半袖のシャツを掴んで腕を通し、まだ暑いなぁと窓を通り抜けて床に散らばる太陽の光りを見てふと思った。
「出馬さん…」
「なん?」
「何描いてるんですか」
「…ばれたか……」
頭を掻きながら片手に支えていたスケッチブックを三木の方へクルリとコチラに向ける出馬に、はぁとため息をついた。そこに描かれていたのはさっきまで寝ていた三木だった。ご丁寧に赤い跡まで描き写されている。
「さいてー…」
「でも良い題材やろ」
ニッと悪戯っ子みたいに笑う出馬に三木はまたため息をついた。
題名「アイ」
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美術部入りたいな…