おがふる



押し倒された。
この事実だけで何人の高校生男子がショックを受けるのだろう。その押し倒したのが年上の女性教師ならグッドだが残念無念、相手は男。しかも自分と同じ歳の所謂腐れ縁だったりする。
なんでやねん!っと思わず関西弁でツッこんでみたりしてしまいたいが如何せん空気がそれを許さない為ぱくぱくと口を動かすしか無いのだ。
酸素が無駄に多く消費されている気がして仕方が無い。その内過呼吸を起こすんじゃないだろうか。勘弁して欲しい、過呼吸の苦しさを知っているのかこの男は。

「お、が…?」

いかん、声が震えてしまった。別に怖い訳ではないが、怖くない訳でも無い。どっちだよとか野暮なツッコミは止めてくれ、俺だって分からないんだ。何だか視界がぐるぐるしてきた。酷い風邪を引いたみたいな気分だ。嗚呼、もしかしたら殴られるのか?だとしたらかなり怖い。駄目だ駄目だ、視界が滲んできた。

「…泣くな」
「ひっ、…うー…!」
「古市、すまん」
「う…!…っく…」

ヤバイ、マジ泣きをしてしまった。だってコイツが怖いから悪いんだ。俺は何もしてない、から、怖い、怖い怖い怖い
俺何かしたかもしれない

「ごめ、…なさ…っ!」
「古市」
「う、くっ……!」

何で困った声で俺を呼ぶんだよ、俺謝っただろ。だから、怖いよ。怖いよ男鹿

「古市」

お前も泣きそうで怖い






泣かないで






___
我慢出来なくなった男鹿ですが古市に泣かれたので色んな意味で泣きそうです
タイトルは二人の言葉
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