夏神
※夏目さんがドマゾ



「お前気持ち悪い」
「知ってる」

朝の挨拶の様にさらっと言われた言葉に大して傷付いた顔もせずに夏目は笑って神崎の悪態に答えた。その夏目の態度にいつもの倍は顔を歪めた神崎は夏目の足を蹴る。

「いたいよ神崎君」
「本当にその口切り裂いて一生開けないように縫合してから自分の姿に絶望してビルから飛び降り自殺すれば良いのに」
「よく噛まないね」
「お前舌噛んで死ね」

いっそ清々しいと言わんばかりに顔を輝かせて神崎の横に立ち続ける夏目にチッと舌打ちが一つ贈られた。

「そんな言葉じゃ凹まないくらいにはマゾだよ俺」
「うわ気持ち悪い。その恍惚とした表情で頸動脈を焼かれたナイフで切られて出血多量で真っ青な顔で葬式されてしまえば良い」
「あはは、良いかもそれ」

神崎は流石に苦しかったのか深く息を吸い込み、夏目を睨みつけた。その睨みを夏目は甘受して笑みを深くし、ゾクリと背中を這う快感にも近い震えに瞼を浅く閉じた。

「物好きのドマゾが」
「うわー、もっと言って神崎君」
「…………」
「黙られても放置プレイって思うから結局同じだよ」
「心底惨たらしく死ねば良いと思うな。ストーブに頭突っ込んで脳みそ溶けろよ」

普通の会話をすれば良い話なのにあえてそれをしない神崎に夏目は抱き着くタイミング謀った。そうすればきっと神崎は夏目の脇腹だか顔だかに蹴りを打ち込むだろう。


後日

「夏目さん気持ち悪いですね」
「古市君も罵る才能あるよ」
「例え親からそんな物を受け継いでも一生使いませんね」

机に肘をついた古市に冷たい眼差しを受けて恍惚とした表情を作る夏目が教室にいた。






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書いてる僕自身夏目さんの気持ち悪さに書くのを止めようとしました。
夏神ですよ!
夏→→→→→→→→→→→(越えられない壁)→神
では無いです!
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テーマ「人外ファンタジー」
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