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3章・0






「脱出戦です」

 アルニコは表情を厳しいものにして言った。

「逃げるにしても、戦いは避けられません。被害を最小限に、出来る限り相手の戦力を削ぎましょう。しんがりは俺が、先頭は、刻雨さん、お願いします」
「判りました」
「戦闘向きの魔法を使える人は準備を。絶対に深入りしないように、自衛の為だけに、使って下さい」
「……でも、ここから、どこへ?」
「……優羽眞先生の家へ行きましょう」
「どうしてですか?」

 ノエルの問いに徒紫乃が返し、さらにターシャが重ねる。
 答えたのはアルニコだった。

「俺たちを襲ったヒトが、『優羽眞に何を聞いた』と。彼が自警団と敵対している可能性、何らかの情報を持っている可能性はあります」

 ああ、とザラメとヒューロも頷いた。彼らも似たような事を聞いたらしい。

「一番包囲が手薄なのは、西側です。窓から裏路地に出て、南西に向かえば彼の家です」
「向こうが突入してくるなら、南の玄関と北の入り口からでしょう。あちらの突入と同時に脱出しますよ」

 戦闘班2人が交互に説明する。時計を見る。2時半。アルニコが改めて面々に向き合った。

「一般人を巻き込む訳にはいきません。彼らが起きるまで、夜が開けるまでが勝負です」

 静かに静かに、一階の西の窓へ。外から聞こえる怒号がより一層大きくなる。宿屋の関係者は見当たらない、と、宿の亭主は自警団の一員でもあったことを思い出す。どうやらグルであるようだ。
 息を詰める。一瞬の静寂。
 ガラスの割られる破砕音。

「来ましたよ!」
「皆さん逃げて――!」



―――――
▼3章ルール説明
・3章期間中は1日のうちに起きたこととします。(解決後等未来の内容をえがいた作品はご遠慮下さい。過去の事は回想というかたちで許可します)
・投稿数5ごとにヒントが出ます。今回はヒントに上限を設けません。投稿すればするほど情報が明らかになります。
・投稿数が15になりましたら、朝になり、イベントが発生します。これ以前で逃げ切る事ができた/優羽眞の自宅にたどり着いたような描写はご遠慮下さい。15に達さなかった場合、イベントフラグが折れたという事で、そのまま最後のアンケートを行います。
【特別ルール】
投稿時間の末尾が0か5だった場合、追っ手に捕まります。その後、2章で組んだコンビの方からの投稿があれば脱出出来ます。(作品の内容は問いません。捕らえられた事に触れなくても構いません。投稿があれば脱出出来ます)。捕らえられた方を助けようとした投稿の秒数末尾が0・5だった場合、助けたけれどかわりに捕まった。という事になります。
投稿数15までにコンビの方からの投稿が無かった場合、捕まった状態でイベントが始まります。
その後どうなるかはイベントにてご説明致します。








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