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班長会議



「資料は持ったな、では、班長会議だ」

 慣例的に班長会議と呼ばれる、司令室のメンバーが揃って行われる会議。図書館11階の会議室の窓からは、雨にうたれるアガット・イアの街並みが見渡せる。それを背に、枝折は乱雑な仕草で資料を斜め読みしながら言った。

「7月半ばの駅長会議、8月の熱月祭、今年は春期試験が後ろ倒しだったからなァ――秋期も例年よりは遅らせる。9月に入ってからの開始だ」
「3ヶ月間、大きな任務が続く事になります」

 枝折の言葉を受けたフィズに、居並ぶ班長達が神妙な顔で頷いた。もう既に各班それぞれが、任務に対して動いている。この会議の目的は最終的な確認と決定だ。山と積まれた資料の束は、ニアリーイコールでこれからの途方もない激務を示唆している。

「気合い入れろよ野郎ども、今年の夏はアツくなるぜェ?」

 日々近付く夏に向け、否が応でも街は騒がしくなっていく。降り止まぬ雨でさえ掻き消す事のできない熱気が、アガット・イアを覆いはじめていた。




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