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ある日の魔王邸。
ヴェーラが「研修生を連れて来ました」と実に嬉しそうな顔でやって来た。
天使に研修とかあるのか、とルネは興味深々な顔でヴェーラを見ていると、ヴェーラの後ろから優雅な動きで女の子が現れた。身長が高く、顔立ちははっきりしている。青い切れ長の目と、銀色の長い髪がさらに美しさを強調させていた。

その顔は、今は緊張で引きつっているが。

「紹介します。彼女が研修生のアマリアです。」

「アマリアです……今年で500歳になりましたので、研修生として現在ヴェーラ上官の元、天使兵の訓練や業務を行っております。宜しくお願い致します……。」

フォレンとルネ、サリチェに穴があくほど見られ、戸惑いながらも礼儀正しく深々とお辞儀をした。その話を聞いたルネが、ちょいちょいとフォレンの服の裾を引く

「フォレンさんフォレンさん……500歳で研修ってどういう事?」

「どゆこと?」

サリチェも一緒にフォレンに聞く。フォレンは少し後頭部を掻いた。

「ん?天使は500歳になったら成人という扱いでね」

「ここは私が説明しましょう。」

フォレンの説明を遮るようにヴェーラが言った。

「もうルネさんは魔族や天使が人間をはるかに超えた寿命も持っている事はご存知かと思います。実は、天使には寿命がありません。また、天使は成長スピードが遅いため、500歳で成人という扱いになります。成人した天使は天使兵となり、世界の管理を行うために研修生として訓練を行うのです。」

へぇー、と3人が納得する。ルネは納得したフォレンを見て「知らなかったのに説明しようとしたの……?」と呆れもした。

「で、アマリアちゃんは暫くヴェーラと一緒にいて勉強しなきゃいけないから、よくここの業務がある事もあって、あいさつに来たわけ。……だよね?」

フォレンの問いに、アマリアが小さくうなずいた。
「じゃあ年齢的にもルネと同じくらいだし、ルネに魔王邸案内頼もうかな!」

「へっ?」

「そうですね、貴方の緊張も解けそうですしね、アマリア。」

「……御迷惑でなければ、是非。」

にこっと笑ったアマリアに見とれたルネだったが、「どうしました?」とアマリアに言われ、はっとして首を横にプルプルと振った。

「じ、じゃあ案内します!私、ルネ。よろしくねアマリア!」

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