ピーッ!!
ブロックアウト!
ワンタッチ…
その度に悔しかった、
今のはしょうがない、そう思った事なんて、
一度もない
あと少し踏ん張れば、
あと少し我慢できれば、
あと少し早くよめてたら
あと少し……ワンタッチ
東京の体育館。
俺は居残って練習をした。
得意の後悔が俺を落ち着かせてくれなかった。
何度も怪我で逃した全日本。
今やっとチャンスが来た。
周りは「全力でやれば結果なんてどうだって良い」と甘やかしてくれるけど、
プレーする俺らは「結果がすべて」だと言い聞かす。
……今日のあの1点。
後悔ばかり募る。
明日の試合までには改善しなきゃ、
焦ってるのが、自分でも分かる…
今コーチがアタックを打ってくれてて、
俺はそれをブロックする。
こんな、バカ正面なの、誰だってできるさ、
「まぁつやん!!ちょっと休憩しよう!」
空ちゃんの声が聞こえて、俺は汗を拭った。
「まつやん、焦ってるでしょ。」
「…え?」
「ほら図星☆」
小さな空ちゃんは(いや、普通なのかも…)俺を見上げてそう言った。
正直図星だった。
「あんまり焦りすぎるとまた骨,折っちゃうよ?」
とりあえず苦笑。
「何度もしてるじゃん、練習。てことはやっぱり経験だって!!」
あぁそうか、
と思った。
「まつやんさぁ、声に出して言ってくれなきゃ分かんないじゃん、」
確かに喋ってないな、今。
「…ほら、何か言ってよ、」
なんとなく恥ずかしそうに俯いて言う空ちゃんが可愛かった。
「せっかく、励ましにきてあげたのにさぁぁ、」
だとかなんとかブツブツ言ってるのは空ちゃん。
思わず笑った。
「ありがとう、」
「…う、」
せっかく礼を言ってみたのに、反応が「…う、」。
これはどういった事だろうね、(泣)
「うっ,て何…;」
「あっいやっ!ちょっと、ただ………」
焦ってる空ちゃんは俯いた。
俺が覗き込んだら
顔を赤くして目をそらした。
「あんまり、素直に言ってきたから、」
あぁ
どうしようか…
仕草が本当に可愛く思えた。
「空ちゃん、」
呼んだら顔をこちらに向けた。
俺は本当に何も考えれなかった。
ただ、マジに愛しくなって
空ちゃんにキスをした。
触れるだけの中学生みたいなキスだった。
「…まっ、つやん?///」
「よしっ、頑張るよ。焦らず、だけど頑張る。」
空ちゃんが知らせてくれた思いと
今の俺を知った。
また
練習再開だ。
「ちょっと、まつやん!?」
さすがの空ちゃんの声より、今はブロック練習。
きみの言葉が
きみの仕草が
きみの想いが
きみの存在が
今のぼくを変わらせるから。
時に愛しくてたまらなくなるけれど、
別に付き合ってる訳でもないけれど、
別に誰のものって訳でもないし。
次愛しくてたまらなくなった時には、
告白しちゃうかもね。
今はワンタッチ。
いつかは
必ずきみをこのブロックで守るから。
(/また骨折、しないよにしなきゃ…笑)
エンド
アトガキ
いやっ…(´д)真面目に申し訳ないですよ。一応リク夢、ということなんですが、どうでしたか?なかなかキュンとこない出来ですいません…!!出直そうと思います、今回はここまで読んで頂きありがとうございました(深礼)