あぁ、


どうして優は

こうなんだろう。




憎めない人





「空ーっ(はーと)」



嫌になるくらい弾んだ声、いやもう嫌だ。
それと同時に背後をつつまれる。
私と優はこれ程に身長差があるからすっぽりと追いかぶさられる訳であってこの季節には暑くてしょうがない。



「優、アツイ」



「照れてるの?かわいー」



まずどうゆう思考回路でそーゆー事になったのか教えて欲しい。殴るのはそのあとで十分よ。



「空、抱き着いたくらいで熱くなるなんて、」



やっぱり殴るのは今にしよう、後からじゃ遅いな。



「どっけってっ!」



「いやー、どけたら何されるか分かんないし」


「よくお分かりですこと。」



「あったりまえじゃん!空の事で知らない事なんかないよ、空がどーゆう事されたら気持ち良く啼いてくれるかとか他人には分からないとこまで。まずはね…」



「もーいいわ!!!」



誰がンな事言えっつったのさ!
いつまで発情期続くんだよ、只今、第何次発情期だよ、はやく老いぼれてまえ。だいたい日本を代表するバレー選手がこれでいいんですか。



「空、怒った?」



「怒るにきまってるじゃん」



一瞬にして背中に寒気と自分の体温が上がるのをを感じた。

ばっか優、ばっか、耳元で笑うなあーーー!!!
息がかかったーあ!
まじで殺してやろうか、あごめんそれはやり過ぎだ、とりあえずなんで笑うのかがわからない。いつもいつもイタズラっぽいその笑顔でいくつもの審判を惑わせてきたのを私は知ってるわ。インボールを「アウトじゃないのかぁ…」なんてゆう困ったような笑顔 、私は知ってる。だから惑わされないわ。



背中の温もりがなくなったと思えば優は私の目の前にいた。



「ごめんね空、」



ま、惑わされない。その笑顔には!





きゅ―――ん



「べ、別にいいけど」



「ほんと?!空やさしー!じゃあこれからも誰も知らない空見せてね!」


私の三秒のトキメキ返せバカヤロー。

今度は前から抱き締められた。




「俺としたことが見落としてた、空が耳弱いの知らなかったなぁー」




囁くな、耳元によるな!!
ダメな気がする、優のスイッチ入った気がする。もう電源切ってやりたい。てゆうかコンセント抜いてやりたい。



離れた優はまた子供みたいな笑顔。



「まじ殺りたい。」



「ヤる???」



「や、違!何いって…」



「わーい★」




ばかー、まじばかー!!
今回は私も同伴者だわ。こんな発情期真っ盛りの優に言ってはならないことをいってしまった。たとえ意味は違えど言ったらダメだったぁぁああ!



抱き着いて来た優を離そうと抵抗するけどすればするほど、優に寄っていってるのは何故だろう。



「自分からさそったのに、逃げるのは無いよね」


「ふぇ…///」



はむっといった効果音で優は私の耳を甘く咬んだ。
力が完璧に抜けた。



「空いただきまーす!」



何て嬉しそうな顔してるんですか、そして果てしなく憎たらし顔ですこと。





結局何をされても優はかっこよく優しいから、いつまでたっても憎めないまま。



誰か助けて、今日は軽く五回戦くらいまでヤりそうだよこの子。









エンド


どんなおわりかたやねん。