きみと居る時間は

とろけそうな程甘くて

世界中の誰よりも

幸せだなぁって思うんだ。




Sweet Love



久々の休日。

毎日練習で
朝昼晩びっしり。

バレー人生って感じのオレの毎日を
いつも陰ながら応援してくれる人が居る。


オレがこれまで笑ってプレー出来てるのはその人がいつでも励ましてくれてたから。


彼女の空。

1番大切で、守りたくて、ずっと傍に居たくて
気持ちをここに上げるときりがないけれど
とにかくもう大好きな人。



そして、今、
向かい側に座ってる人。



空はいつかこう言った。


「バレーが1番でいいんだよ」


って。
自分よりバレーが好きでいい、と言った。


まぁオレは
どちらか1つ選べと言われても

両方譲る気は更々ない。




せっせとペンを滑らす空は、変な魔法にかけられたんじゃないかと思う程
必死に勉強中だ。



そして、只今オレ、越川優は
面白くない訳で…



「空ちゃーん。楽しい?」


「楽しくなーい」



「オレも楽しくなーい。」



「じゃ帰ればー」



聞きました?今の。


帰ればって……!!



「ひどーッ」



「だぁって勝手に来たの優じゃん。」




やっとノートからオレへと顔を上げて下さった。



馬鹿げたくらい真面目な空は
看護学校に通ってて、女医さん目指して日々頑張ってる。



赤淵メガネの空はちょんまげをしていて
受験生みたいだった。


幼いなあー。



「…なによぅ」



「いや、可愛いなぁと思って。」


「やっぱ帰りなよ。」



前言撤回!!!
素直じゃない!
オレが帰ったら泣くんだよ空は。



だって、照れてるじゃん☆
ま、そんなトコも可愛い。

そう、結局は可愛い。



「バレー界のプリンスが来てるとゆーのに。空はホント贅沢な子だよ。」



「うるさいなー、自分で言うか普通!?」



結局、動かすペンを止めてまたこっち見て反抗する。



「自分で言ったんじゃないよ☆」


「…憎たらしー」



「憎たらしいはさすがに無い。」



そんで、オレが笑えば
空も笑う。



「なんで今日メガネかけてんの?」


「コンタクトだと目、疲れるの。」



へぇ、
なるほど、


メガネつけてないほうが
可愛いと思う。




「…なによぉ」



どうしていつも喧嘩腰?

ガン飛ばしてんじゃねぇよ、とでも言って来そうな表情、本日二度目。




「ねぇねぇ、メガネ外してみて、」



「いっつもつけてないじゃない、」



「いーじゃん、細かい事は気にしない!」



頭の上に疑問符うかべながらメガネ外す空。



「メガネかしてー。」



オレが言えばすぐ貸してくれた。



「優、つけてみてッ」



空のイキイキとした笑顔に若干撃ち抜かれながらも、空の赤淵メガネをつけてみる。



「あ、赤で太い淵も似合うネ。」



空は少し驚いたように見えた。


ぶっちゃけ、オレ今コンタクトだから
ぐにゃぐにゃして空の顔はあんまり見えなかった。



頭痛くなりそうだからメガネを外すと、
身を乗り出してオレの顔を見る空が居た。


どこまでも可愛いなぁ。


1つ1つの行動にいちいちこんな事を思うオレはなかなかの重症だ。



メガネを空にかえそうと、
空につけてあげる。


すると珍しくじっとしてるから、

メガネをつけてあげたら

ついでにキスをした。




ちゅっ




目をぱちくりと開いて驚く空。

小さくリップ音を出して唇を離してやると


真っ赤になった空。



真っ赤になりながらも、一瞬
むっと口元を尖らせて拗ねたような顔をしたけど

目をそらして,はにかんで笑った空。



「空、可愛いすぎ…」



「………さて。」



オレが面と向かって言ったら
空がまた照れたから
勉強をやりはじめた。





好きだよ、と何度も心で言ってるうちに


自然と伝えたくなった。



「空、好きだよ、」



また不意討ちになりすぎた。

空はオバーリアクション。
かなり驚いてた。




けど、また笑顔をみせて



「あたしも、優だいすき。」



小さな声で言った。







空が照れ屋で
言わないぶん
オレがいっぱい言ってるあげるよ。


空が恥ずかしがりで出来ないぶん
オレがたくさんやってあげるよ。




照れてる君も好きだから。


恥ずかしがってる君も愛しいから。



君と二人過ごす時は

どんな場所でも暖かくて

どんな言葉より甘い。


飾った言葉なんかより

ありのままを伝えたい。


かっこつけたオレより

ありのままのオレを見て欲しい。










(そんな貴方だからこそ甘い愛を感じられるの)






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