愛のカタチは様々だけど

それを理解するのは

酷く困難で

酷く容易い


理解すれば幸せに思えることでも

未熟な僕らは切なさにしかナラナイ


悲しみにしか成らない


矛盾にまみれて

だけど矛盾だらけぢゃ何一つとして
解決はしない



これはまだまだ若い頃の甘酸っぱい思い出。






愛のカタチ
(/切ないウタ)






ただの友達かな。


これは中学生のときのハナシ…



好き?なんかなあ…


わからん…


中3の俺は、皆の恋のハナシを聞きながらぼんやりとある人を思い出していた。



「やまもとー!お前どうなん?」


「どうって?」


「ほんっとお前て分かってないよなあ!」



失礼なやつらだよまったく。



「空と仲良ぇやん?」





―どきっ…



どき?どきってなんよ…




「空は誰とでも仲良くないか?」



バレーの雑誌に目を戻してページを捲りながらそう言ってみた。



唸る友達は「でもさーあ」とか言ってる。


「ほんで、お前どーなん?」


これ以上自分のハナシする気にもならなかったから逆に聞いたりした。
ペラペラ話を進めている。



空は女友達で、凄く仲良くしてもらってる。

けど
別に俺だけが特別に仲良しな訳でもない。



だけど少し在るとすれば
お互いが心から信頼しあって、お互いが悩みを打ち明けあっている。
それが電話だとかで二人だけのハナシだった。

それは本当に親友みたいだった。



俺は高校はバレーで選ぶから空とは離れる。



俺と離れて空はやってけるんだろうか。
泣き虫な空のハナシを聞いてやれる人はいるだろうか。




正直、
考えた。



だってそれは空がある日


「同じ高校行こうよ、」


なんてことを言うから。




これまで意識しなかった事がない訳でも無かった。


たまに言う空の言葉に意識し過ぎた事があった。



俺は空が好きなんか?




卒業が近くなるにつれて、そんな事を考えはじめてた。


だけど今空にスキと言ったら、空は辛い。



きっとこうやってぐるぐるしてる時点で好きなんだ。

誰かがそう言ってた気がする。




苦しくてもトドメテいよう。





俺の出した決心がそうなったのは
俺にとって
「夢」がなによりもデカイもんだから。






卒業の日に泣きながら空はこう言ったんだ。








「好きでした。」







「気づいてたかと思ってた」、泣き笑いの空に出せる言葉はただ一つ。



「ありがとう。」



あの頃の俺の想いと、空の気持ちを無駄にしない為にも




俺は今もがんばっとるよ。






そして 今はもう

あの頃の不器用な俺とは違って嫁さんも出来て
夢と愛を同じに感じれる幸せもんになった。



初恋はやっぱり甘酸っぱい。




愛のカタチはいろいろだ。

あえて言葉にしなかった想いも
愛だろう。


今はそう思えるかな。









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