「髪長い方が好きだったな〜」



「切ってしまったもんはしょうがない。」



まぁ、そうだけど…




クラッシュガール




髪をバッサリと切った空が俺の彼女。


「どして切ったん」って聞いたら「邪魔くさいから」なんてシラッとした目で言いやがった。


なんだかもう、サバサバしてて男らしい。女らしらの欠片もない。
その上確り者なもんだから、甘えようなんて事無いから、可愛さもくそもない。


そんな空が好きな俺もどうかと思うけど、とりあえず見た目もキレイで可愛いし、さっきの男らしいとかどうのこうの省けば、空より良い子はいねぇよ。



…どんな空も好きなんだろーな、俺にゃもう、今更別れようなんて言われたら生きてけんくらいやろね。




「またのばしてね、」



「イヤよ。」




聞いた?
イカれてるやろこの子。



「お願い、」

「うっさいわよ。」




拗ねようかね。
あーぁ、素直なのはアレん時だけ?



「どんな空でも可愛いよっ(はーと)」



どかっ


俺がそんなふざけた調子で笑って言ったら空は突然立ち上がって、俺の背中を蹴った。



「いってー、バレー出来んくなったらどーしてくれんねん」



「いっそ出来なくなってしまえ、ハゲ」



「ハゲてへんけど?」



「変な前髪。」



「やかましわ!!!!」




なんやねんこの会話。笑ってしまうわ。



「何笑ってんのよーハゲちん」


「だから、どこがハゲや。女の子がチンとか言ったらいけません。」



「紅茶飲む?」



「無視すか、めっちゃ基本に忠実なツッコミしたつもりやけど。」



「飲むかっつって聞いてる」


「はいはい、頂きます」



ちょっとしてから空が紅茶を持ってきて座った。
「熱いからね」なんて言ってくれる空は家庭的でイイコ。



「精神的にハゲちんって意味。」


「…ソレ引っ張るか?…チンはなんよ?」

「そこ食いつくよねー」


「腹減ってんもん」


「関係ないよね」


「当たり前や」




さっきイイコって思ったけど、なんか行ったり来たりする。
イイコとおもったら変な子になるし。


笑いがおさまらん。




「達哉お腹空いた?」


「軽くな、作ってくれるん?」


「何がいい?」



うわー、空最高。
めっちゃいい子。
こんな時の空の笑顔は悪戯っぽさなくてちょっと大人な笑顔だから、寂しい感じするけど、可愛すぎる。




「空が食べたい!」




「っ…///!?」




え、




ふざけて言ったつもりが、空が思った以上に真っ赤になって同様したから、こっちまで軽く赤面。





可愛すぎ。









「……、あとでね…///」









んっ!?



「はいっ!?」




「なっ…何作ってほしいの!?それともどっか出る!?」




確かや…、




空が林檎みたいな赤い顔でボソッと言った言葉に同様し過ぎて、無意識に聞き返してしまった。



でもこれからはわざと。




「っあとで!?あとでって言った!?」




「うるっさいわよ!頭かち割られたいの!?」





「やったー☆いただきまーす!!」









わざとやった言葉は、ただの俺の照れ隠し。
空の珍しい姿が新鮮すぎて、普通に俺まで照れてしまって、本気でドキドキしたから。






空が料理作ってる間、顔の温度が冷めるまで、ほんまに顔上げられなかった。







どんな君も君だから愛せられる。

ふと見せた表情も

いつもの君も

然り気無い行動も

何気ない言葉だって

全部君だから大好きで
君だから許せて
君だから愛せられる。



他愛ないケンカみたいなやり取りも

きっと仲を深めてる



あぁ
クラッシュガール


君がクラッシュしちゃってるお陰で
そんな風に俺までクラッシュしてる。









エンド