ほんまに好きやねん。







With any kind of hand and….







今日は珍しくオフになった訳で、俺は彼女とまったり家で過ごすことにした。



彼女は天然で、イメージはふわふわ。
どこかほっとけない空が俺は大好きで。







「達哉、良いテレビしてないやぁ。」





チャンネルを片手に、両膝を立てて腕で抱え込む体育座りと呼ばれる座り方をしている。
元々華奢で小さいのに、その座り方で余計に小じんまりと小さく見える。






「ほんま?…まぁ、テキトーにつけとき、そのうち何か始まるやろ。」






冷えた麦茶を二つ、低いテーブルに置いて、そう言いながら俺も空の横に座る。


日頃の疲労のせいか、腰が重い。
そう思うのはよく有ることだけど、空が居ることで顔を歪める程でもないと感じる。

空の存在は治癒力があると思う。




そんな空に、俺はガラにもなくベタ惚れな訳だけど、空から行動を取ってくれる事が無いことに、少しだけ不満を感じていた。



人間てのは欲深い訳であって、手に入ればそれ以上を求めてしまうもの。
きっと俺だけじゃないやろう、そう思わせて頂きたい。






そんな欲深い人間のうちの、俺は素直だから(自分で言えばお終いだけどそれを言っちゃうのが俺)、しかも空ときたらかなりの鈍感ガールだから、俺は直球で言ってしまおうと思った。










「空、俺ん事好き?」








「うん!」









名前を呼んだらこっちを向いて、不純なような純正なような俺の質問に、戸惑うことなく頷いてくれた。




顔を赤くさせてはにかんでくれる姿を見たら、嘘ではないと痛く分かる。信じてなかった訳じゃないけど。









「じゃあ…キスして?」








そう言えば、空の頬の朱はより一層深くなって、少し笑ってしまった。







「…キス?」





「おう。」






「…いぃよ、ほっぺでい?」






「ええよ。」






「…よしっ、いくよ?」









戸惑いながら、そう言うと、俺の頬目掛けて顔を近付けてきた。





ほっぺたにキスするくらいで、いくらほどの覚悟いるねん、空外国行けへんな。





心の中で溜め息を漏らす。







空の唇が頬につく寸前で、俺は顔の向きを空の方に変えてやった。






案の定、鈍い空はそのまま俺に口付けてくれた。





リップ音をわざと立てて口を話すと、真っ赤になった空が目を丸くさせていた。







「…もぅ、」






困ったようにそう呟いて、抱き付いてきた空を、強く抱きしめた。






可愛いすぎるやろ、と小さく呟いて、空の赤い耳に口を寄せた。









「たまにはええなぁ。」








面白がってそう言うと、空は顔を埋めたまま小さく笑った。



















エンド