「くにひろっ!」
背後から抱きつかれ(飛び付かれ)、声を出すのも忘れるくらい驚いた。
試合が終わってまだ皆居るのに、こんな事されちゃって、若干恥ずかしくなる。
「空ー」
「今日もカッコイイね!」
空は声が高くて良く通るからまた、皆に見られる。
ほらほら、ゆきちが苦笑いしながらシューズの紐弛めてる。
あぁ山本さん、そんな見ないで。
宇佐美さん、「若いねぇ」なんてオッサン臭いこと言わないで。
「邦広ぉ?」
「ん?」
「痛いとこない?」
上目遣い、
あー可愛い。
なんだかんだで、大切な事は気を使ってくれるいい子。
端から見たら、わがままでぶりっこな女の子だと思われるだろう空。
「大丈夫だよ、」
頭を撫でてあげたら、安堵の笑顔をもらした。
「ねぇ邦広ー!」
あぁ、いつものイタズラっぽい顔してる。
イヤな予感がばりばりする。
「な…なに?」
「ちゅーして!」
下唇に人差し指を当てて、顎を上げる空。
空の言葉に、オレだけじゃなく、まわりの皆まで硬直する。
ただオレはいまきっと赤い…
熱いー、たすけてー、
助けを求めようと、近くでしゃがんでるゆきちに目をやってみたら、わざとらしく唇を尖らせた後、目を細めて笑っていた。
完全に面白がってるよ…
「空っ!ちょっと待って!今はダメだって、」
そう言ったら、しょげちゃったのか何なのか、プクッと頬を膨らませた。
そしてクルッと反対側を向いて、
「いーもんっ、帰ってからいっぱいしてもらうもん!」
「えっ…うん、まぁ」
「だから早く帰ろう!」
そう言った空は戸惑いまくるオレを引っ張ってった。
そして、外に出た瞬間、空はまたオレに抱きついてきた。
「ここならい?」
オレだって、空とキスしたくない訳じゃないんだ。
どっちかっつーとしたいにきまってる。
拒まれるより良いと思う。
オレは、顎を上げる空の腰と肩を抱いて、空に口付けた。
そっと離したら、空はどっか寂しそうな目をしていた。
こーゆーの何て言うのか、オレはバカだから分かんないけど、
すごく心配になったのは分かった。
「ほんと、痛いとこない?怪我してない?大丈夫?」
必死にそう言ってくる空。
相変わらず上目遣い。
いっつも甘えてくるような空の目とは違って
まるでオレの事傷口みたいに、丁寧に優しく見てくれる。
どんなときも気にしてくれる。
「大丈夫、」
「よかった…、」
またぎゅっと抱きつく空。
小さな体で、一生懸命オレの事守ろうとしてくれる。
守ってくれてる。
「空、ありがとう。」
こんなわがままな空だけど
こんなしっかりしてて優しい。
だからちょっとくらいなら高い物も買ってあげるし、
荷物だってもってあげる。
ちょっとくらい時間に遅れたって待ってるし、
甘い甘いワガママも聞いてあげる。
オレの事自分の一部みたいに触れる空が愛しいよ。
わがまま
(私も貴方にとってそんな存在でありたいから)
オマケ
奴等は見てた。←
福澤「らぶらぶやんかー」
山本「結局してるしなー」
宇佐美「イメージのまんまって感じ(笑)」
福澤「ゴリでれでれでっしゃろー」
山本「空ちゃん?だっけ、可愛いしな」
福澤「めっちゃガッツリちゅーやん」
宇佐美「ガッツリちゅーって(爆笑)」
エンド
すいません、