まだ寒いから








「もう暖かいと思ったのに、やっぱり朝は冷えるねぇ」






今日は邦広と初めてのデート。


邦広も忙しい身だからなかなか時間合わなくて、なかなかデート出来なくて、今日やっと出来た事が、嬉しくてしょうがない訳です。




嬉しいんだけど…

んー、やっぱ緊張する、
てゆうか、二人で歩いてる事態に照れる。





「まだ2月だ、寒いよー」





邦広は笑ってそう言った。




私は、手を顔の前で擦って、指先に息をかけて暖めた。







「おれ、手袋あるから貸してあげる。」





そう言って、邦広はつけてた手袋を取った。





「やっ!いーよいーよ、」




私がそう言えば、邦広は一回考え込んだ顔をして、短く唸った。





「じゃあ、かたっぽだけ貸す!」





そう言いながら、手袋を一枚だけ私に渡して微笑む。





「手袋つけてない方は、繋ごう?」






邦広は大きな手を差し出した。




左胸が、震える。

この音が、聞こえてないかな、
この鼓動が、ばれてないかな。




どくん、どくんと心臓が鳴る。

恥ずかしそうに、だけど嬉しそうに、高鳴るんだ。






大きな手に、私の手を重ねたら、また彼は優しく微笑んだ。













エンド



みじかっ