運命って

…なんだっけ？

運命

目が覚めたら、隣に空が居る。
長いまつげと白い肌。
静かな寝息。

オレは空を起こさないように体を起こして、座る。

幸せだな。
隣に居てくれるだけで、こんなに暖かい。

柔らかい茶色の髪を撫でると、空のまぶたが揺れた。

「…ん、」

「あ、ごめん。起きた？」

起こしてしまったんだけど…。
相変わらず空は唸ってる。
可愛いよマジで。

緩む口元をそのままに、空を見つめた。

「～…、不思議な夢見た…」

空はか細い声でそう呟く。

「どんな夢？」

「…ひみつ」

オレが問うたら空は布団で顔を半分隠して、目だけでこっちを覗くとそう言った。

可愛すぎたから、ちょっと固まってしまった。

「…私たちってさ、」

「ん？」

「ずっと一緒？」

「うん。」

口元を布団で隠したまま聞いてくる空の頭を撫でながら頷く。

すると、ゆっくりと布団を下げて、空も起き上がる。

「…永遠に？」

その言葉はすごく新鮮だった。
「永遠」なんて言葉遠すぎるとゆうか、有り得ないものだと思っていたから。

だけど、空となら、永遠も信じれる気さえしてくる。

それでも、即答が出来ないのも本当。

だって、永遠ってどこまで…？

あ、永遠なんだから、どこまでもか。

だったらオレの永遠って何だろう？
死んだら終わりになっちゃうやん。

「永遠…？」

もう一度聞き直すと、小さく首を縦に振る。

「死んでも一緒？」

「…一緒かもしんないね。」

曖昧に答えると、空は頬を膨らます。
どうやら納得してない様だ。

オレ達は、永遠に一緒だと思う。
というか、一緒に居たいと思う。

「生まれ変わっても、また空の事好きになりそう。」

笑っていうと、空は嬉しそうに目を細める。

ちょっと前に空と映画を見たとき、同じ場所で同じ様に笑って、同じ場面で同じ様に驚いた。
だけど、同じ場面では涙を流せなかったっけ。

何でかなあ、って思っていた。

だけど、今ふっと思い出した様に分かった事があった。

「私たちは生まれ変わっても一緒になれるんだね。」

「そうだね。」

「私たちが出会った事は凄い意味があったんだね。」

相変わらず、メルヘンチックというかなんというか、普通じゃ照れて言いにくい事をさらっと言ってる。

だからオレは無意識に愛想笑いみたいなものを漏らしていた。

…さっきの話に戻るけど、
同じ涙を流せなかった理由って言うのは、たぶん、空は他人の気持ちをまるで自分のようにとるから。

オレの方は、自分だけだから。他人は関係ないから。

空みたいに自分を重ねる発想は無いし。

考えてみたら空とオレは反対側に居たりする。

だからこそ、空に教えて貰うことは、少なくない。
今みたいに空の優しさを教えて貰った他に、色んな事を学ぶ。

そんでオレは大人になるんだと思う。

じゃあ、だったら、空と出会わなかったらオレは、成長出来なかったのかも。

そう思うとオレと空は、出会うべくして出会ったんだと思う。

そんな風に考えていたら、やっと空の言った言葉の意味の重さが分かった。

「…確かに凄い意味があるんだろうね。」

「スゴいことだよ、本当に。」

「空は生まれる前からオレと出会うって決まってたんだよ。きっと。」

瞳を閉じてオレにもたれ掛かってた空が、突然嬉しそうに目を開けた。

「それ、運命ってやつだよ。」

人は誰もが意味を持って出会う。

良さや悪さも見つけるために。

人が人として成長するために。

ｴﾝﾄﾞ

（ｱﾄｶﾞｷ）
意味分からん文章で申し訳ありませんでした。これ、元々のﾀｲﾄﾙは「合縁奇縁」でして、それでいきたかったのですが、というか本当にそんな話なのですが、あえて「運命」で。福澤君夢の「赤い糸」に似せたくて書いたのですが、なかなか上手くいかないもので、何度も書き直しました。時間がかかった割に完成度も低いし語りみたいになってしまってときめかないという最悪な結果になってしまって申し訳ありませんでした。伝わりにくいですよね。やっぱり、恋人だけでなく、誰にしても意味があって出会っているのだと思います。友達でも、何こいつムカつくんですけどぉってなる人とか１人はいるじゃないですか。だけどそれも意味があるわけで、きっとそんな人にも何かを教えられて成長している気がするんです。何こいつムカつくんですけどぉって思うのは理由があって、成る程こうゆうことをすると人はムカついたりしちゃうんだって気付いたりするんじゃないかなぁと。何事にも意味はあるのですが、それを起こす出会いって凄く意味があると思いませんか。人間ってやばいですね。ハイ、語りまくってすいません。何か伝えたいのに伝えられないものを書くとこうなってしまいますね。そんな最初から最後までの駄文ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。