いつもあなたを見ています。
あなたの事を考えています。
そう、私、
あなたに夢中です。
この気持ちをそのまま伝えることが出来たら、どれだけ楽になれるだろう。
同時に、どれだけ辛くなるのかな。
そんな事をぼうっと考えている昼下がり。
ああ、今だってあなたでいっぱい。
大きな身長や、分厚い手や、ふわふわな髪も、柔らかな笑顔も。
考えすぎて夢にまで出てくるほど。
夢と同じようになればいいのに。
夢の中は素直でいれるのに、現実はいつも強がってる。
おいしいお昼ご飯のお弁当の味ももう忘れちゃったけど、とりあえず、透明の蓋を閉じて輪ゴムで止める。
1人で手を合わせて、口の中で「ごちそうさま」と呟いてみる。
「はらへった〜!!」
がたんっという椅子のひかれる音と共に、どすんと座る清水くん。
「わあっ!びっくりしたあ。…おつかれ。」
「おつかれさん。そんなに驚かないでよー!」
「いや、びっくりするでしょ、普通に。」
冷静に見えるかな?
実はパニック。
冷静ってゆうか、冷たすぎ?
「ごめんごめん」
軽く謝り穏やかな笑顔を浮かべる。
それに私は口の中でもごもごと「別にいいんだけど」と呟いて返した。
「あー疲れたっ」
うなだれる彼に笑って返す。
こぼれた笑顔は本物。愛想笑いなんて器用な事、今は出来ないし。
「そりゃ疲れるよね。これからいっぱい食べてまた昼から頑張らないとね。」
「よしっ!食うでー!」
必要以上に楽しいこの時間。
きっと、いや絶対に清水君と一緒だからこんなに楽しいんだ。
今だけは時間は形を変えてしまう。
…恋はいつだって気持ちとはウラハラだ。
素直になりたいけど素っ気なくなっちゃうし、長くあって欲しい時間は短い。
ずっと一緒に居れたら、時間はたっぷりあるのにな。
離れた場所でも一緒なのにな。
そうなればどれだけ幸せなのかな。
「じゃ、食ってくるね。」
大きな手が、私の頭を撫でて行った。
それだけでもう、心臓が破裂しちゃいそう。
今にも口を突いて出てきちゃいそう。
頭に残る清水君の感触が大切でしょうがない。
優しくて柔らかい笑顔で、大きな手で、私の髪を乱して行った。
そんな事実が夢みたいに嬉しい。
もし付き合ってるなら、こんな些細な出来事って思うのかな。
見つめる先にはいつも清水君。
私は今のままで満足してる。
遠くで見てるだけでいい。
なんて嘘っぱちだった。
恐がって、
勇気が無いだけだった。
こんなに望んでる。
こんなに好きだから。
好きで好きでたまらないから。
そんな想いでいっぱいいっぱいの私は、意識を無視して立ち上がり、清水君を追いかけていた。
走って追いかけたらすぐに清水君の背中に手を伸ばしてた。
Tシャツの裾を掴むと、たぶん、清水君は私を見た。
「空ちゃん?どうした?」
「清水君、」
俯いていた事に気づいた私は、名前を呼ぶのと同時に顔を上げて、清水君を見た。
「…好きです、」
心臓の音がうるさい。
恐くはない。
好き、好き、大好き。
そんな想いが溢れるばかり。
こんなに私を動かす。
「っ好き!!清水君が好き!」
ぼうっとしてる清水君。
私はただ、裾を引っ張ったまま清水君を見つめている。
「…空ちゃん、あの…」
清水君の声を聞くと不安が押し寄せてくる。
ぱっと手を離したら、清水君が体ごとこっちを向いた。
すると、恥ずかしそうに、口を片手で覆って言ってくれた。
「俺も、空ちゃんのこと好き。」
そして、また、ふんわりと笑うんだ。
―強い想いが勇気にかわる。
好きとゆう、ただそれだけの気持ちがあれば、
勇気を出す事など容易いもの。
自然と勇気にかわるもの。
私はあなたに夢中すぎた。
エンド
アトガキ
また申し訳ない感じになってしまって申し訳ありませんでした。乙女な感じが書きたくなって挑戦してみました。気持ち的には、恋せよ乙女!!ってゆうものにしたかったのですがどうでしょう?書き終わって読んだときに、恋したいなって思えるようなものになっていればよかったのですが、私的には失敗でした。皆様に伝わっていれば幸いです。最後になりましたがここまで読んでくださりありがとうございました。