アンケートでの人気投票第一位に輝いた越川優選手ゆめ。どうぞお楽しみくださいませ。
byまな





未だ観ぬ未来




分かんない。
まったく解らないね。
無理、しないで欲しい。
傷つかないで欲しい。
それ以上痛まないで、頑張らないで。


私は正直そう思うわ。




「優ー、優はさあ、どしてそんなにバレーに拘るの?」



「なんでって、バレー好きだし。」



屈託のない笑顔は底無し沼のように限り無く引っ張り込まれる。



「好きなら、無理しなくてもいいじゃん。無理にして好きな事出来ないなんてマイナスばっかでさあ。」



「無理してるんじゃなくてね、頑張ってる。」



「嫌にならない?」



「たまにはあるさ。」



「やめないの?」



「一回切りの人生でこんなに好きになれたことじゃん?そしたらさぁ、生きて死ぬまでの間にそれででっかいこと残したいじゃん。」



「現実冷たいよ?」


「知ってるよ、でも諦めたくない。」



「………」



「いくら空でも何言われてもやめないよ?」



黙った私にすぐ、優は困った顔で笑った。


「なに?俺がバレーしてたら空不安?」



「不安って言ったら?」



「困るな…」



「優が苦しいのもう見たくないだけ。」



自分の声が震えてる事に気がついて初めて涙が出そうなのに気付いた。



「空…」



優の切なそうな声が聞こえたら尚更、留まらなくて。



「バレーが好き。空と事が好きなのと一緒でね、好きって気持ち一つで何でも乗り切れるんだよ。」



「……」



「たまに空とケンカする、それと同じように、バレーでもたまに怪我したりピンチに追いやられたりするだけ、」



「ん……」



「空と俺が親から何か言われるように、世間からの冷たい目がある。」



私は切りがない涙を拭う。



「けど、空が好きだからここまできてる。バレーが好きだからこの先も諦めきれない。」



優も泣きそうな顔で私を見つめる。



「それで、誰より好きな空が応援してくれるから、頑張れる。」



私はただ一生懸命に顔を縦にふった。



「俺もずっと辛い訳じゃないから。…ごめんね、苦しそうな姿も忘れられる位の楽しそうなプレーが出来てなくて。」



「ううん……ロンドンではメダルだよ?」


なかなか出にくかった声を押し出して言えば、「そうだね」と優は言って私を抱き締めた。



そして私の背中をとんとんと叩けば宥めるかのように何回か謝ってくれた。



「俺が悪いね、」



「そうだよ……」



「四年後は空は世界一幸せにするからね」


「約束よ?」


「うん、」



「っ…うぇーん」



「ごめんごめん、」





今でも世界一幸せだけど、壊れた優の膝は余りにも痛々しくテープが巻かれてたから。




優は本当にバレーが好き。
そんな優が私は大好き。



だから解らなくなる。

でもこれからは攻めたりしないからね、




「ごめんね、優。だいすき。」









エンド


すいません。アンケート協力ありがとうございます!こっしー…!お膝を痛めてたんでね。ふときた切な甘い感じを書きたかったんですがねぇ………、ごめんなさいなかんじになってごめんなさい←、夢心地sとうららにも別内容のこっしー夢おきましたので、お暇でしたらお付き合いくださいませ。今回はここまで読んで下さりありがとうございました。