大学デビューをする勇気もないまま、それでもこのぱっとしない自分を変えたいという思いを抱いたまま、中途半端な心境で迎えた新生活は、あっという間に半分を過ぎ。気付けばもう大学生活も折り返し地点。
制服を脱ぎ私服で過ごす日常は、思っていたよりもずっとその外見で第一印象を刻み付けるのだと痛感した。
どっち付かずな私の胸の内を露呈するかのように、日々決まらないコーディネートは背中をどんどん丸くさせる。
結局のところ変わるきっかけをいとも簡単に逃したわけで、今まで通り私はクラスでも、よく言えば控えめ。とどのつまり、ぱっとあか抜けない、地味な存在なわけだ。
群れること自体がもともと得意でない私にはいつもべったり誰かと一緒にいるっていう状態が少し苦痛で。友達がいないのとは違うけれど、広く浅くそれなりなつきあいしかしてきていない。きっとそんな私の様子も、傍目から見れば「いつも1人でいる」という印象になるだろう。
そのせいか。
正反対に、いつでも誰かと一緒にいる彼を、なんとなく目が追いかけてしまうのだ。
真ん中にいる、いつも笑顔のキラキラした、あのひとを――。
Can Pass