田舎道で目が覚める
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気づくと私は田舎の道に倒れていた。辺りを見回すと同じような着物を来た人がたくさんいる。着物?ここは日本なのか?
「そこの魂魄。整理券はこっちだ」
黒い着物を着たおっさんが偉そうに呼んだ。魂魄?そうか、これは死後の世界か。列に並ぶ人々に、随分システム化されてるんだと嘆息する。
私が割り当てられたのは南の第80地区、阿修羅。黒い着物のおっさんが、私を気の毒そうな目で見た。
南の地区の担当だとかいう人に付いていって、各地区に振り分けられる。途中で気づいたが、どうやら番号が高くなると、治安も悪くなるらしい。それは最悪だ。
南の第80地区、阿修羅には私と目つきの悪いおじさんがおいて行かれた。どうやらここが最下層らしい。薄暗く、雰囲気は宜しくない。
黒い服の人は死神と言うらしい。通り名とかでなく、本物の。どうやら日本の死神は私の知ってる死神とは随分違うようだ。
「お前、よっぽど悪いことしたの?」
死神が聞いてきた。目の下に傷がある彼のほうが、よっぽど悪いことしてそうに見えた。
「あ、ここは地獄ですか」
「みたいなもんだな、気をつけろよ」
死神は行ってしまった。どうやら、彼等は特別な力があるらしい。空なんか、どうやって踏むんだ。
「じゃあ俺は行くぜ、お嬢ちゃん」
一緒だったおっさんはそう言った。
「あとお前、変な頭してんな」
「は?」
驚いて触ると、そこには耳があった。
「え?」
20140928
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