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 夜が明けるとそこには久しぶりに見る青空が広がっていた。空木とアイリスは、校長らと共に2人の家に向かう。しかし、そこにすでに2人の遺体はなく。2人の友人が同じような疲れきった顔で、佇んでいた。

 友人たちは、ひたすら謝った。言い訳さえせず。それがかえって、アイリスの感情の行き場を無くさせた。アイリスはただ静かに泣いた。

 ダンブルドアの考えで、ハリーは全くのマグルの家庭であるペチュニアの家に預けることになった。あの神経質な義弟とそれにベタ惚れの妹が、ハリーをどう扱うのかとアイリスは不安になるが、そのときはそのときだと考え直す。もし、なにかあれば、こちらで引き取ろうと。


 二年後、ハリーはどうにかペチュニアの家で暮らしている。これからもハリーの成長を見守っていきたい、その気持ちを裏切るように、空木とアイリス、蓮の日本への転居が決まった。空木の実家からの要請だ。

「もし、君がハリーの成長を見守りたいなら、レンと一緒にここに残ってもいい」

空木はそう言ったが、日本へ行くことを決めたのはアイリス自身だ。これ以上、引きずってしまってはいけない。数ヶ月に一度、ペチュニアの家を訪れていたのも、2人の墓に通っていたのも、すべて、すべて。

ペチュニアに事情を話し、後を託す。もとはしっかりした末娘だ、うまくハリーを育ててくれるだろう。

「ハリー、どうかたくましく強い男の子に育ってね」


そう言い残し、アイリスはイギリスを去った。


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