kind of party
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アイリス曰く、彼女の姉リリーとその恋人ジェームズはムカつくほどに順調だった。
「おかしくないかしら?やっぱり派手すぎ?パンツのほうがいいかしら?」
「はいはい、ジェームズはどんな君でも好きだよ」
卒業も近づいたある日、家にジェームズが来るというので、リリーとアイリスは準備に追われていた。
「アイリス!ジェームズ玉ねぎ食べれないの!どうしましょう!」
「…彼は君の作ったものならどんなものでも喜んで食べてくれるよ」
リリーはまだ不安がっていたが、アイリスがさっさとオーブンに突っ込んでしまう。
「それより私は、彼らが迷わないか心配なんだけど、」
「そうね、ちょっと迎えに行ってくるわ!!」
リリーはさっさとエプロンを仕舞い、慌ただしくドアを開けて出ていった。母さんと父さんは相変わらずのんびりとマイペースで、リリーはお母さんの若い頃にどんどん似てくるなぁ、そうかしらねぇ、そそっかしいところなんかあなたにそっくりよ、などと話していた。こりゃ、魔法使いの恋人を連れてきても大丈夫だな、と嘆息するアイリス。今日はペチュニアは学校の先輩で金持ちだとかいう人のパーティーに行っていていない。少し心配だったものの、どうにかなりそうだとアイリスは思う。1ヶ月前から言われていたこのパーティー。社交的なジェームズのことだ、穏便に済むだろう。
「やっぱりあなたも来たんですねぇ」
「やっぱりってなんだよ」
「いいえー?」
ジェームズが両親に挨拶するその後ろでシリウスと対面するアイリス。
「綺麗になったな」
目の前に立つ美丈夫は、笑みを浮かべてアイリスの頭を撫でた。
「…私彼氏いるので」
「そうかよ。紹介しろよ」
「嫌です、あなただけには紹介しません」
「何でだよ。兄貴だろ?」
「しつこい兄は嫌われますよ」
その数週間後、図らずも師匠の大会に随行してきた彼とシリウスは対面することになる。
「いらっしゃい」
そう言って恋人に迎えられた異国の人は、遠い島国で見た笑みと変わらぬ笑みを浮かべ、彼女の肩を抱いた。
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