最も上の、その上
::





関東で運動部に属している者は一度は耳にしたことのある強豪校、立海大学附属。中高大の一貫教育と充実した施設により、より良いスポーツ環境を求めて全国から選手が集う。

特に中学、高校の両方で目を惹く成績を修めるのは、言うまでもなく男子テニス部と女子バスケットボール部だ。


共に全国大会常連。優勝経験も一回や二回ではない。男子テニス部はこの三年間で優勝二回、準優勝一回という快挙を成し遂げた。女子バスケットボール部は故障者が相次ぎ近年こそ優勝を逃しているものの、ここ数年、常にベスト8に入っており、プロ選手も輩出している。


つまり立海は各競技において、頂点を目指すものが集う学校であり、他の中学高校をも圧倒する存在感を放っている。立海といえばスポーツ、スポーツといえば立海。たかだか小学生、たったの12歳の少年少女たちが栄光を夢見てこの地にやってくるのだから、生半可な覚悟じゃ務まらない。


しかし、そのなかで上手くやっていける者は、ほんのわずか、限られた人物たちであることをここに明記しておきたい。なぜならば、立海という学校の校風を語るにおいて、そこは決して避けては通れない箇所であるからだ。


学内におけるヒエラルキーは一番の一番上には上記のような理由から、男子テニス部、女子バスケ部、女子ソフトボール部、と続く。だからと言って彼らがふんぞり返って学校を牛耳っているかと言えばそういうわけではなく、学校は彼らの努力と才能を認めた上で、彼らに自らの立ち位置を理解させていくのである。つまりは学校を盛り上げていくため、アピールするために欠かせぬ存在こそが運動部であり、この学校における最上である。


しかし、最上とはよく言ったのものだが、決して良い意味で使ってはおらぬことを確認願いたい。相応の対価がいるのだから、最上に君臨するのは。


これはそんな、最上に君臨している者たちの話。



prev / next
[ back to top ]
top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -