「ごめんね、烏間センセー。わざわざ付き合わせて」


夏休み初日だというのに、私は消防署に来ていた。この前のことで表彰されたのだ。本当は暇してるカルマに付き合ってもらおうと思ったのだが、学校の先生も、ということで烏間先生に来てもらった訳で。表彰式は何事も無く終わり、賞状と記念品を貰った。


「いや、これも教師の勤めだ。アイツを寄越す訳にもいかないからな」

「確かに殺せんせーはちょっとー…。今は日本に居ないんだよねぇ?」

「ああ、エベレストで避暑中だ」


流石殺せんせー、スケールが違い過ぎる。


「途中まで送ろうか?」

「ありがと、でも大丈夫(だいじょーぶ)。寄りたいとこがあるから」

「そうか、気を付けてな」

「んー、センセーも仕事頑張ってねー」

「特別訓練には参加するんだぞ」

「はーい」


消防署前で烏間先生と別れ、向かう先は…。



***



「沖縄で合宿とは、流石名門校。贅沢だねぇ」


おっちゃんは羨ましそうに溢した。あの後やって来たのはサバゲーショップ。テスト勉強で最近来てなかったから、まずは近況報告からだ。


「んー、まーねぇ。にしてもおっちゃん、痩せたねー。前よりカッコよくなったと思うなぁ」

「ハハッ、ありがとう。医者に少し痩せろって言われてな、ダイエット中なんだ」

「おっちゃん独り身なんだから、健康には気を付けないと駄目だよー」

「そうするよ」


ちょっと見ない間に痩せていたおっちゃん。健康志向なのは良いことだけど、一気に体重落とすのはよくない気がするんだけどな……。


「ね、おっちゃん。実はお願いがあって来たんだけどー……」

「…はぁ、そんな可愛い顔して頼まれたら断れないの分かって言ってるな?」

「んふふーっ」


大きな手がくしゃくしゃと私の頭を撫でる。


「で、お願いって?」

「実はねぇ、どーしても倒したい標的(ヤツ)がいるの」


私の目を見たおっちゃんは、にやりと笑った。


[14/10/06]






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