《イリーナ就任直後》 「ビッチせんせぇー」 「ビッチって呼ぶな!片割れ!」 「片割れって呼ばないでよぉー、ビッチ」 「ビッチ言うな!」 ビッチ先生とのくだらないやり取り。今日は日直だったから書き終えた日誌を殺せんせーに提出しようと放課後教員室に来てみたけれど殺せんせーは外出中で。聞くところによると本場のフランスパンを買いにフランスに行ってるらしい。話を聞いて私は本場のクロワッサンが食べてみたくなったから、ついでに買ってきて貰えるように連絡を入れた。 そして殺せんせーが帰って来るまで待つことにした訳だが、教員室にはビッチ先生も居て。烏間先生は会議の為一足先に帰ったらしい。それでよく分からない内にビッチ先生とお互いの呼び方で些細な口論になった訳で。 「もぉー、ビッチなのには変わりないでしょー?」 「それは仕事だから!第一に私の名前はイリーナ・イェラビッチ!ほら、言ってみなさい!」 「ビッチ」 「キーッ!!」 ビッチ先生をからかうの楽しい。そしてそんなことをして時間を潰していると、殺せんせーが帰って来た。 「おや、随分仲良くなりましたねぇ」 「お帰りぃー」 「別に仲良くなんかないわよ」 「因果さん、お待たせしました。頼まれていたクロワッサンです」 「やったぁ!」 渡された紙袋を開けてみると、美味しそうなクロワッサンが。バターの香りが食欲をそそる。そして殺せんせーにクロワッサン代と日誌を渡す。 「ありがと、殺せんせー。あとこれ日誌ねー」 「確かに受け取りました。日直ご苦労様でした」 「待ちなさい片割れ!まだ話は終わってないわ!」 早く帰ってカルマとクロワッサンを食べようとしていたのに、ビッチ先生に呼び止められてしまった。 「もー、早くクロワッサン食べたいのにぃ。Irina・Jelavicでしょー?」 「!?ちゃんと言えるじゃない!」 「また明日ねー。殺せんせー、イリーナ」 「ッ!」 ふっと笑ってひらひらと手を振り、教員室を後にした。視界の隅で捉えたのは面食らったビッチ……いや、イリーナの姿だった。 「もうっ…なんなのよ、あいつ……。不意打ちもいいとこだわ……」 「ヌルフフフ、完全に因果さんに翻弄されてますねぇ」 [14/05/08] |