6時間目は歴史の小テスト。さっきカルマにおちょくられた殺せんせーが壁にパンチするも触手が柔らかい所為でブニョンブニョンと音を立てている。耳障りな音だけど、取り合えず小テストは全問記入しておいたから机に顔を伏せて寝る体勢を作る。隣の席のカルマに声を掛けるのは寺坂とその連れ、それにふと視線を横に動かす。


「――…殺されかけたら怒るのは当たり前じゃん。寺坂、しくじってちびっちゃった誰かの時と違ってさ」

「な、ちびってねーよ!!テメケンカ売ってんのか!!」

「こらそこ!!テスト中に大きな音立てない!!」


壁パンで音を立てていた自分を棚に上げて注意する殺せんせー。それに対しカルマは教員室から盗ってきたジェラートを食べながら応えた。いいな、私もジェラート食べたい。


「ごめんごめん殺せんせー、俺もう終わったからさ。ジェラート食って静かにしてるわ」

「ダメですよ授業中にそんなもの。まったくどこで買って来て…。そっそれは昨日先生がイタリア行って買ったやつ!!」

「あ、ごめーん。教員室で冷やしてあったからさ。因果も食べる?」

「食べるー」


横から目の前に差し出されたジェラートを舌で掬うようにして舐める。ん、流石本場のジェラートは美味しい。


「ごめんじゃ済みません!!溶けないように苦労して寒い成層圏を飛んで来たのに!!」

「へー……で、どーすんの?殴る?」

「殴りません!!残りを先生が舐めるだけです!!」


あ、渚君が引いてる。こちらに向かって来た殺せんせーは事前に撒いておいたBB弾を踏みつけて触手が溶けた。


「「あっは――まァーた引っかかった」」


またハモったカルマとほぼ同時に拳銃を発砲して席から立ち上がる。殺せんせーは表情を変えない。


「何度でもこういう手使うよ、授業の邪魔とか関係ないし。それが嫌なら…俺でも因果でも、俺達の親でも殺せばいい」

「……」

「でもその瞬間からもう誰もあんたを先生とは見てくれない。ただの人殺しのモンスターさ。あんたという「先生」は…俺達に殺された事になる。…はいテスト、多分全問正解」

「私のは全問正解ぃー」

「!」


折角のジェラート勿体無かったなーっと思いながらプリントを殺せんせー向けて投げる。


「「じゃね「先生」〜、明日も遊ぼうね!」」


二人して同じ作ったような笑顔を殺せんせーに向けて教室を出た。


[12/08/18]






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