コユリ達は第四の国、サイバーランドへとやって来た。高層ビルのようなものが建ち並び、まるで近未来のような光景に辺りを見回している。

するとその時、宙を泳いでいたバグラ軍のホエーモンに見付かってしまった。ホエーモンの口に取り付けられた装置からアンドロモンの大群がコユリ達の前に現れ、間髪を容れずに攻撃を仕掛けて来た。

各々がXローダーを掲げて戦力をリロードし、アンドロモン達を一人残らず倒していく。だが敵は粒子となって消えず、モニタモン達がアンドロモンの中身を調べ始めた。



「――…ありゃ?コイツ中身が空っぽですな」

「何っ?!デジモンじゃないのか……?!」

「こっちもです!ただの人形ですな」

「人形……?」

「そんなっ……」

「っ…じゃあ…コイツらはどうやって動いてたんだ……?」



謎が深まるばかりだが、ホエーモンが先程と同じ事を喋り、またアンドロモン達を転送しようとしている。埒(らち)が明かない為、タイキの提案でホエーモンの中に入り込むと言う事になった。

スパロウモンにはネネとタイキが、リーツァモンにはコユリとキリハが乗り、ホエーモンの中へと突入した。



「これは…ホエーモン自体もメカだったのか……!」

「しかしメカなら、誰かが操作している筈だ」

「そいつがデスジェネラルかもしれないわ」

「っ……、」

「コユリ、どうかしたのか?」



不思議そうな顔で何かを探すように忙(せわ)しなく辺りを見回すコユリに、キリハが声をかけた。



「今、誰かに見られてるような気がしたんだけど……」

「誰かが俺達の様子を窺(うかが)っていると言う事か……?」

「……カメラらしき物は見当たらないわね」

「…取り合えず、先に進んでみよう」



タイキの言葉に、ドルルモンが案内役を買って出た。それなら俺も、とヒョウルモンもXローダーから出て来た。

奥に進もうとした時、サイレンの音と共にアンドロモン達が現れた。



「ロックダマシー!」

「ドリルバスター!」

「蛇雷(レーペレボルト)!」



一気にアンドロモン達を倒し、長い廊下を進んで行く。デジモンの臭いを辿り、行き着いた部屋を覗き込むがそこには誰もいない。

だが、キリハが何かに気付き、声をかけると、涙目で怯える少女が姿を見せた。



「まさか……」

「人間?!」

「私達以外にもいたなんて……、」

「お前、何者だ!」



キリハが指で指しながらその少女に問うと、大声を出しながら怯えてしまった。タイキが聞いた所によると、少女はルカと言う名前らしい。



「ここで何をしてる!」



先程と同じようにキリハがルカに言うと、またも両手を上げ、大声で驚いた。



「キリハ……!」

「っ…分かった、お前が聞け」



するとルカはタイキを見つめ、怖くなさそうと言う理由でタイキに懐いた。

ルカが自分の身に何が起きたのかを話している間、ドルルモンはルカへの不信感を募(つの)らせていた。それはヒョウルモンも考えていたようで。



「……ヒョウルモン」

「…ああ、奴には何かありそうだ」



意見が同調した事により、ドルルモンはタイキを廊下に呼び出した。ルカへの不信感をタイキに伝えると、どうやら話を聞いていたルカに顎を頭突きされた挙げ句、泣き出されてしまった。



「あーあ、いーけないんだーいけないんだ」

「先生に言うわよ」

「…先生って誰だよ」

「キリハくんかな?」

「何で俺なんだ……!」



そう言ったキリハに、コユリは楽しそうにクスクスと笑った。その笑みにキリハは恥ずかしくなって視線を逸らす。

その間にもタイキ達に囲まれたドルルモンがルカに嫌々ながら謝った。それを見ていたヒョウルモンは、コユリに耳打ちをする。



「……ヒョウルモン?」

「…あのルカとか言う奴には気をつけろ」

「えっ?」

「これは俺の勘だがな……俺を信じろ」

「……うん、」



コユリは戸惑いながらも頷いた。ヒョウルモンは周りにバレないように静かに彼女から離れる。そのまま視線をルカに遊ばれているドルルモンへと向け、心の底から元同期を哀れんだ。



「っ……!」

「コユリ?」

「また…見られてる気がして……」



コユリは不安そうに辺りを見回したが、その視線の正体は分からず仕舞いだった。





機械の街で出会った





------(11/10/12)------
やっとサイバーランドまで来ました(´`) 自分でも分からないのですが、キャニオンランド編の事を考えると何故か胃が痛みます←

でも問題はブライトランドの後なんですよね。キリハに言わせたい台詞があるが為にオリジナルランド……。





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