コユリが気を失っている間に周りの状況は無情にも変化していた。

ネネはドウモンの結界の中でユウと再会を果たしたが、DWをゲームの世界だと思い込んでいるユウによって殺されかけてしまう。

彼女を助けたメルヴァモンがツワーモン、ドウモンと対峙する中、外から結界を破ったキリハ達がネネの元へと駆け寄る。



「――…キリハ君、タイキ君……!」

「ネネ、コユリは何処だ!」

「コユリが心配なのは分かるけど、今のは無鉄砲過ぎると思うぞ?」

「…フンッ、」

「コユリはまだユウの所に……!」



ネネの視線の先には、ツワーモンに抱き抱えられたユウと意識の無いコユリがいる。コユリはデジハニーの効果が切れた為、元の大きさに戻っていた。

すぐに彼女を取り返そうとしたキリハだったが、そこにダークナイトモンが現れ、困難な状況になった。

それに加え、ブラストモン、イビルモンズとデジクロスしたリリスモンに苦戦するシャウトモンX5Bとメタルグレイモン。更に追い撃ちをかけるようにドウモンが術をかけ、リリスモンに一方的にやられていく。

そんな時、キリハの肩にコグルモンが止まった。コユリがユウを捜す時にコグロモンズをデジクロスさせていたのだ。



「っ!…コグルモン、行けるか?」

「行ケル!」



コグルモンは漆黒の翼を羽撃(はばた)かせ、一気に舞い上がった。コユリに当たらないよう、ツワーモンだけに攻撃を仕掛ける。



「ッ……!」



だがツワーモンは地面を蹴り上げてそれを間一髪で避ける。

しかしコグルモンは真正面から一気に攻撃を繰り出し、攻撃を受けたツワーモンはコユリを放してしまった。真っ逆さまに落ちるコユリを、キリハが両腕でしっかりと受け止める。



「コユリ!」

「っ……キリ…ハ…くん……?」



閉じられていた瞼がゆっくりと上がり、紅の瞳がキリハを映した。コユリが意識を取り戻し、安堵感からキリハの口許が緩む。



「あーあ。ダメじゃないかツワーモン、コユリさんを放しちゃ」

「まあ良いじゃないかユウ。チャンスは幾らでもある」

「それもそうだね、これに勝てばコユリさんはまた僕のモノだっ!」



キリハはコユリを横抱きにしたままタイキ達の元へと戻る。



「コユリ!」

「皆、ごめんね……」

「無事で良かったわ」

「コユリ、お前のXローダーだ」

「あ、ありがとう!」



コユリはキリハから手渡された白のXローダーを掲げ、ヒョウルモン、シキアモン、ラティスモン、ハクシンモンをリロードした。



「全く、何でお前はいつも捕まるんだよ!」

「ご、ごめんっ……」

「それは後でいいでしょ、ヒョウルモン」

「そうだな……コユリ、行くぞッ!」

「うん!ヒョウルモン、シキアモン、ラティスモン、ハクシンモン、デジクロスッ!」



ソリフィアモンが戦場に舞い降りたと同時に、メルヴァモンがワイドハイビジョンソードでドウモンを倒した。術の解けたシャウトモンX5Bとメタルグレイモンの視線は、ムソーナイトモンへと向く。



「「超進化ッ!」」



超進化したΩ(オメガ)シャウトモンとZ(ジーク)グレイモン、β(ヴィータ)ソリフィアモンは一気にムソーナイトモンへと駆け出す。それを迎え撃つように、ムソーナイトモンが技を繰り出す。



「超力鳴動波ッ!」



三人はそれを正面から受けながらも屈する事なく押し返しながら進み、ムソーナイトモンに渾身の一撃を与える事が出来た。

それによって爆発が起こり、爆風が治まったと同時にβソリフィアモン達の元に駆け出すと、そこには超進化の解けたヒョウルモン達だけがおり、ユウ達は消えていた。



「――…っ奴らは?」

「…分からない、」

「何処かに消えましたな」

「ここだよ」



突然聞こえたダークナイトモンの声に顔を上げると、データの空に穴が開いており、段々と元に戻っていく。どうやらダークナイトモン達はその穴の向こう側にいるようだ。



「――…丁度ユウはハニーランドに遊びに来ていてね、帰れなくなっていたのさ」

「やっぱり、タイキさん達と戦うのは楽しかったよ?」

「ユウ!」

「今度は必ず倒すよ、僕の最強戦力でね。…コユリさん、次こそ僕のモノにしてみせますから」

「ッ……!」



ユウの残した言葉にコユリは驚き、キリハは不愉快そうに眉間に皴を寄せた。



「…コユリ、」

「キリハくん……?」

「……ユウに譲る気は無い、覚えておけ」

「っ…う、うん……、」





白雪姫はどちらの手に





------(11/10/12)------
予告?していた通り、完全にキリハvsユウになりました(笑)← もし第三期まで連載が続いた場合、ここにリョウマも加わると思います(´ω`) タギルはゼンジロウと同じような扱いになるかも……。

まあ第三期は本編を観てから連載にするか決めたいと思います……。





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