「コユリ、タイキ達の所に……コユリ?」 タイキ達との通信を終え、救援に向かおうとしたキリハだったが、隣にいると思っていたコユリがいない。 「コユリ!何処だ!」 「……き、キリハくーんっ」 「ッコユリ!」 弱々しいコユリの声に、キリハは急いでその声のする方へと走る。入り組んだ道を曲がると、地面に座り込んだコユリが目に飛び込んで来た。ただし、その姿はいつもより小さいものだったが。 「…コユリ…お前まさか……」 「う、上からデジハニーが流れ出して来て、避けたんだけど……口に入って…咄嗟に飲み込んじゃった……」 アハハ、と乾いた声で笑った彼女の姿に、キリハは頭を抱えた。だがそれと同時に可愛いと思ったのも事実である。 ソリフィアモンとルーツァリモンも追い付いたが、キリハと同じように頭を抱え、呆れたような声を出した。 「何となくそんな気はしていたが…まさか本当に小さくなるとは……」 「ジェネラルを一人にした我等の責任だろう、ソリフィアモン」 「……こうなった以上どうしようもない」 「わっ……!」 キリハはそう言いながらコユリを片腕で抱き上げ、メタルグレイモンの背に乗った。 「タイキ達の所に急ぐぞ!」 「坊主、コユリを落とすなよ!」 「当たり前だ!」 小さくなってしまった以上どうしようもない為、一同は城を出てタイキ達のいる遊園地へと急ぐ。 遊園地には巨大なザミエールモンに苦戦するタイキ達がいた。 「――…こんな巨大な上に、動きも速い敵なんて……!」 「どうしたタイキ!自分の作戦を信じろ!」 「そうだよ!作戦通りザミエールモンは大きくなってるんだから!」 「キリハ!コユリ!……コユリッ?!」 「間違ってデジハニーを飲み込んだ、と言う所かしら?」 コユリの姿にタイキは驚き、ネネは冷静に分析した。だが今は戦闘中、その問題は後回しだ。 「シャウトモン、超進化!」 「メタルグレイモン、超進化!」 「ソリフィアモン、ルーツァリモン、超進化!」 更にΩ(オメガ)シャウトモンとZ(ジーク)グレイモンはダブルクロスによって、シャウトモンDXへと姿を変えた。だが、ザミエールモンの動きは速く、技が当たらない。それを見たタイキが閃(ひらめ)いた。 「そうだ!コユリ、ネネ、力を貸してくれ!」 「うんっ!」 シャウトモンDXとβ(ヴィータ)ソリフィアモン、βルーツァリモンはザミエールモンに背後を取られてしまう。だが、ジェットメルヴァモンが飛ばした観覧車を避けた一瞬の隙に、βルーツァリモンが動いた。 「βルーツァリモン、氷上の闘技(ロレラジェレード)!」 コユリの声と共に冷凍ビームが発射され、ザミエールモンの脚をその場で凍り付けにした。 「女神の舞踏曲(バレラインディアーノ)!」 「ブレイブビートロックダブルクロスッ!」 βソリフィアモンとシャウトモンDXの技により、ザミエールモンは消滅した。その瞬間、宙にはためく軍旗はクロスハート、ブルーフレア、ピュアグロウへと変わった。 そしてメルヴァモンが新たな仲間となり、平和な空気が流れる。 「なあコユリ、本当にデジハニーを食べたのか?」 「う、うん……」 コユリがキリハにした説明をタイキ達にもすると、タイキは眉尻を下げながら控えめに笑った。 「やっぱりコユリだな。デジハニーの効力が切れるまでこの国にいるしかない、か……」 「次の国がどんな所か分からないものね」 そう言いながら、ネネは楽しそうにコユリを抱き抱えた。 「ネネちゃん?」 「小さくなったコユリも可愛いわね」 「へっ……?」 「……」 「キリハ?」 いつものキリハならネネに嫉妬して黙り込むが、今回はどうやら考え事をしているようで。 「アイツは一体……」 「アイツ?」 「ハニーランドの森で戦っていた時に出会した奴さ」 「あっ、そう言えば……」 「金色の髪の子供だ。そうだよな、コユリ」 「うん、確かにいたね」 「金色の…髪……」 小さい彼女と謎の彼 ------(11/09/28)------ コユリだからデジハニーも飲み込んじゃうんです← 連載も69話まで来ましたけど、今だにピュアグロウのエンブレムが決まってないんですよね(え) イメージが纏まらないと言いますか……。「こんなんあるけどどう?」と言う心優しい方、いらっしゃいましたら夢主画板まで是非お願いします!\(^p^)/ |