コユリとキリハは先程ドルルモンが開けた穴に飛び込み、地下通路を駆け抜ける。その途中コユリが転びそうになり、それからはキリハが彼女の手を引いて走った。 前方にはレディデビモン達が群がり、道を塞いでいる。 「リロード、ヒョウ……」 「――…ヒョウルモンより妾(わらわ)の方がいいと思うがのぅ」 「っハクシンモン!?」 ヒョウルモンをリロードしようとしたコユリだったが、それを押し退けて勝手に出て来たハクシンモンに驚きを隠せない。 「二人共下がっておれ。ちと危ないからの」 「…う、うん……」 しかし、ハクシンモンなりの策があるのだろうと考えたコユリは、この場を任せる事にした。 ハクシンモンの周りには鬼火が現れ、オレンジ色の揺らめく炎がその身体を飲み込んだ。その姿でレディデビモンへと駆け出し、一瞬にして全てを焼き尽くした。 「っ…何て威力だ……!」 「ハクシンモン凄い……」 「……ふむ、こんな物かの」 そう呟いたハクシンモンは、そのまま彼女の持つXローダーへと戻った。 土煙が収まり、二人の眼前にはスパロウモンに乗ったネネと、壊れた橋の向こう側にドルルモン、バリスタモンがいる。 「コユリ、キリハ君!」 「遅くなっちまったな。……デッカードラモン、入り口を破れ!」 キリハはデッカードラモンをリロードし、閉ざされた重い扉を破壊した。コユリとキリハ、ネネはスパロウモンに乗って扉の向こうへと進んだ。 「ネオヴァンデモンっ?!」 「何っ?!ネオヴァンデモンがここにッ……!」 ネオヴァンデモンが唸り声を上げる中、タイキとキリハのXローダーの画面が光り、ネオヴァンデモンの体内にいる状態でシャウトモンとメタルグレイモンが超進化した。 だがネオヴァンデモンは己の肉体に手を入れ、そのままΩ(オメガ)シャウトモンとZ(ジーク)グレイモンを握り殺そうとする。 「――…ッZグレイモン!お前の力を見せてやれ!……本当の力を!」 「っ…Ωシャウトモン、Zグレイモン、頑張って……!」 二人の声が響き渡り、それはネオヴァンデモンの体内にも聞こえていた。その時、コユリにはぷつりと何かが途切れる様な音が微かに聞こえた。 「……ロップ…モン…?」 何故そう呟いたのかは自分でも良く分からなかった。だが敢(あ)えて言うならそれは直感に近いものだった。 「――…Ωシャウトモン!」 「Zグレイモン!」 「「ダブルクロス!」」 タイキとキリハは互いのXローダーを合わせてダブルクロスし、ネオヴァンデモンの体内から抜け出したシャウトモンDXが姿を現した。 「――…お前の醜い力に利用されていたロップモン達は…消えちまったんだよ……!」 「…あっ……、」 ロップモン達はもういない、シャウトモンDXの言葉にコユリの瞳からは一粒の雫が落ちた。ただ純粋に悲しく、溢れる涙は止まらない。 シャウトモンDXはロップモン達との約束を守る為、ネオヴァンデモンを倒した。 「……コユリ、泣くな」 「だって……、」 光の粒子が降り注ぐ中、キリハは静かにコユリの手を握った。 「…俺達はこれからも進んで行くんだ。こんな所で立ち止まっていられない」 「……そうだね…。…ありがとう、ロップモンっ……」 光に消える ------(11/09/27)------ 次のハニーランドでコユリを幼児化させるか悩み中です(・ω・) 若干アニメとは違う流れにしようかなーっと思ってます。誘拐されたりとか……← |