「…ロップモンのお陰で助かったぜ……」



何とかネオヴァンデモンから逃げ切った一同。疲れたシャウトモン達はぐったりとしている。



「でもどうする?奴の不死の能力は厄介よ」

「確かにそうだね…」

「…倒すんだ、俺達の力で。奴を粉々に打ち砕くんだ」

「キリハくん、それはっ……!」

「中にはメタルグレイモンがいるのよ」

「…メタルグレイモンが吸収されたのは……アイツが弱かったからだ……!」



絞り出すように零れたキリハの言葉に、コユリは悲痛な表情を浮かべながらペンダントを握り締めた。

更に、タイキの言葉に苛立ったキリハは彼の胸倉を掴む。



「――…白のロップモン」

「何?」

「ロップモンが奴の前に飛び出した時、奴が言った。……そう、あの時奴は何かを恐れていたんだ」



タイキやコユリ、ネネの聞いた"白のロップモン"と言う言葉。その意味をロップモンは知っており、一同にメタルグレイモンを救い、ネオヴァンデモンを倒す一筋の光が見えて来た。

だがその時、無数のレディデビモンに見付かってしまった。



「…どうやらこっちの居場所がバレちまったらしいな」

「行こうよ!もし白のロップモンがいるんなら、地下の神殿の中だよ!」

「行ってみよう!」



全員がロップモンの後に続き、ドルルモンが地面に穴を開けた。そこにロップモンが飛び込み、キュートモン達もそれに続く。



「…リロード、デッカードラモン!」

「っ……?!」



キリハはタイキに白のロップモンを託し、一人でレディデビモンに立ち向かう。タイキとネネは急いで穴に飛び込んだが、コユリだけはキリハの元に残った。



「コユリッ…?!どうして行かなかったんだ!」

「…キリハくんが心配だったから、ただそれだけだよ……?」

「っ……!」



そう言ってコユリがXローダーを掲げると、嬉しそうな表情のヒョウルモン達が出て来た。



「燃えるよな、この状況」

「ヒョウルモンに同意」

「何を申しておる。真面目にやらんか」

「皆行くよ…!ピュアグロウ、デジクロス!」



デジクロスし、一気に敵に向かっていくソリフィアモンとルーツァリモンの姿に、コユリは一層気を引き締めて指示を出す。



「ソリフィアモン、神々の祈り(プリーチェノヴァ)!ルーツァリモンは十二時の方向に魔王の息吹(トルジェラメント)!」



減らない敵を前に、一心不乱に攻撃を続けていく。それに珍しく痺れを切らしたソリフィアモンが声を荒げた。



「……チッ…コユリ、超進化だ!」

「ジェネラル、頼む!」

「っ……ソリフィアモン、ルーツァリモン、超進化ッ!」



彼女の声と共に、黄金色の騎士と竜が戦場に姿を現した。



「β(ヴィータ)ルーツァリモン、魔王の鉄槌(ネヴァロフェリノス)!」



無数の巨大な氷柱がレディデビモン達を貫いて行く。それによって身動きの取れなくなったレディデビモンに、βソリフィアモンは二双拳銃を構える。



「愚者へ送る葬送曲(デディレスカーレ)!」

「援護しろ、デッカードラモン!」



爆発音が鳴り響くと同時に爆風が巻き起こり、砂塵と共に瓦礫が痛い程飛んで来る。それにコユリが顔を顰(しか)めていると、突然キリハの匂いに包まれた。



「っ…!…キリハくん?!」

「この状況で怪我をされたら困るからな。…頭、下げてろ」



キリハはコユリを己の腕の中に閉じ込め、彼女の盾となったのだ。その体勢のまま暫(しばら)くすると、銃声や爆発音、レディデビモンの断末魔が鳴り止んだ。



「――…終わったか。行くぞ、コユリ」

「うんっ……!」





取り戻した感覚





------(11/09/27)------
久し振りの更新ですみません(´・ω・`) 特に掲載する訳でもない七将軍夢とか記憶喪失ネタとか不健全モノを書いていたらこんなに時間が経ってました…。時の流れって恐ろしいw(蹴) 読んでみたいと言う声があった場合に限り掲載するかもしれないです(´ω`)





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