コユリとキリハは、それぞれリーツァモンとメイルバードラモンに乗り、城にかかったバリアの前で待機している。



「コユリ」

「どうしたの?」

「デスジェネラルは俺達で殺る。何があっても、お前は手を出すなよ」

「……うん、」



キリハの言葉に、コユリは少し不安そうな表情を浮かべながら頷いた。

その時、零時を知らせる城の鐘が鳴り響いた。しかし、目の前のバリアは解除されない。



「タイキめ、しくじったか!」

「っ…来たぞ……!」

「…あのデビモン達もヴァンパイアの手下か!」

「凄い数っ……」



デビモン達の数の多さに、いくら攻撃してもキリが無い。リーツァモンとメイルバードラモンは、デビモン達にバリアに押し付けられた。それに必死に堪えていると、背後のバリアが消えた。



「ッ……バリアが消えた…!行くぞッ!」

「っ……リーツァモン、大丈夫?」

「ああ、問題無い」



デビモン達を振り払い、城の頂上まで一気に飛ぶ。城の頂上からはシャウトモンX5と、この国のデスジェネラル、ネオヴァンデモンが飛び出して来た。

シャウトモンX5は、ネオヴァンデモンの技によってデータを吸われていく。それを、追い付いたキリハが助けた。



「キリハ!コユリ!」

「皆っ、大丈夫…?!」

「ええ、無事よ!」

「デスジェネラルは俺達が倒す。お前達はデビモンを始末しろ!」



やはりキリハの言葉が気に食わないシャウトモンX5だったが、コユリは先程キリハに言われた通り、邪魔をしないと決めた。そして、デビモン達を倒す事を先決とし、Xローダーを掲げる。



「ピュアグロウ、デジクロス!」



コユリは邪魔にならないようにルーツァリモンから下り、タイキ達のいる場所で指揮を取る。



「神々の祈り(プリーチェノヴァ)!」

「最果ての光景(アンピオリンテ)ッ…!」

「二人共、撃ち続けて!」



そこにレディデビモン達も現れ、一向に敵が減らない。しかし、それら全てをネオヴァンデモンが強制デジクロスで吸収した。



「――…キリハ!今は力を合わせて戦うべきだ!」

「これは、俺の戦いだ!メタルグレイモン、ギガデストロイヤー!」

「っ……キリハくん、」

「コユリ、良いのか?」

「…キリハくんは、手を出すなって言ったから……」



キリハの言葉と、一緒に戦わなければ、と言う気持ちの間でコユリは揺れ動いていた。

メタルグレイモンの技はネオヴァンデモンには通用せず、更にダークネスローダーの力によって、メタルグレイモンが取り込まれてしまった。



「…メタル…グレイモンが……」

「吸収された……?」

「そんなっ……」



力を増したネオヴァンデモンに、ソリフィアモンとルーツァリモン、シャウトモンX5は手も足も出ない。

ネオヴァンデモンの不死の能力は、ロップモン達を取り込んだからだという事実が明かされた。それに怒りを覚えたロップモンが白く輝きながら、ネオヴァンデモンの前に飛び出した。



「…何ッ?!…白…白のロップモンだと……?!」

「!」

「えっ……?」

「止めろ!私に近付くな……!」



怯えるように言ったネオヴァンデモンの言葉を、コユリとタイキは聞き逃さなかった。



「プチツイスター!」



ロップモンの技によって砂塵が舞う。今のうちにこの場から逃げる為、コユリはデジクロスの解けたヒョウルモン達をXローダーに戻した。



「コユリ、行くわよ……!」

「あっ……」



ネネに手を取られたコユリだが、呆然と立ち尽くすキリハが気掛かりで振り返った。



「キリハくんが……!」

「彼はタイキ君に任せて……!」

「っ……」





揺れ動くココロ





------(11/09/10)------
現在、第三期まで連載を続けるか悩み中です(・ω・`) 第二期+日常編で終わらせようかとも思ってたりします。この連載が終わったら、またキリハ夢連載を書きたいなー、なんて´`





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