ドラゴンランドから第二の国に向かう為、一同は曲がりくねった道を進んでいた。



「――…大変だ、道が分かれてる……!」

「タイキどうする?」

「バラバラになるのは不味い…皆、左端へ進むぞ!」

「了解っ」

「分かっ……きゃっ…!」



コユリもタイキの言う通り左端に進もうとしたが、突然キリハに手を取られ、二人だけ右端に進んでしまった。



「えっ……?!」

「キリハ君……?!」

「俺達はこっちから行く」



遠くなって行くタイキ達の姿に、コユリは心配そうに眉尻を下げた。



「タイキくん達と別れて大丈夫だったのかな……」

「これで良いんだ。一体何処に着くから分からないからな、二手に別れた方が効率が良い」

「……そう…だけど」



コユリは言葉を漏らした。ふと視線を少し上げると、靡(なび)く金髪が目に留まった。



「……キリハくん、」

「どうし……っ!」



彼女の声にキリハが振り向くと、その距離が想像以上に近い事に息を呑んだ。



「少し会わない内に髪の毛伸びたね」

「あ、ああ……。…似合ってないか?」

「ううん、格好良いよ?」

「そうか……」

「?」



コユリの言葉に嬉しくなったキリハの口角が無意識の内に緩む。そんな言葉を交わした直後、二人は第二の国、ヴァンパイアランドに着いた。



「…なんだか薄気味悪い所だね」

「そうだな。…足元、気をつけろよ」

「う、うんっ……」



二人は辺りを警戒しながら歩き始める。明かりの少ない、薄暗い森の中。少し歩いてみるも、特に何も無い。すると見計らったかのように、コユリのXローダーからハクシンモンが出て来た。



「ハクシンモン?」

「妾(わらわ)の知っている事を少し話そうかと思っての」

「何を知っているんだ?」



ハクシンモンは、この国のデスジェネラルがヴァンパイアと呼ばれている事や部下も全員不死身のヴァンパイアだと言う事を話した。



「不死身…、どうやって倒せばいいのかな……?」

「……再生する暇も与えずに攻撃する。いくら不死身だろうと再生出来なければ死ぬ筈だ」

「あっ、そっか…!」



その時、遠くの方から爆発音が聞こえ、煙りが上がった。



「っ!」

「行くぞ!」

「うん…!」



コユリとキリハはハクシンモンに乗り、爆発音のした方へ走る。森を抜け、すぐにレディデビモンに苦戦しているタイキ達を見付けた。

二人は戦力をリロードし、ソリフィアモンとメタルグレイモンにデジクロスした。



「メタルグレイモン、ギガデストロイヤー!」

「ソリフィアモン、神々の祈り(プリーチェノヴァ)!」

「撃て、撃ちまくれ!」

「メタルグレイモンに続いて……!」



ソリフィアモンとメタルグレイモンの止む事の無い攻撃に、レディデビモン達は手も足も出ない。そして再生出来ないレディデビモンは消滅した。

その時のメタルグレイモンの攻撃が当たり、頭に血が上ったシャウトモンはキリハに声を荒げる。



「――…実際、お前らヴァンパイアの倒し方も知らなかったようだし」

「テメェッ……!」

「二人共喧嘩しないで……!」

「止めとけ、シャウトモン」



殺伐とした空気が漂う。その時、ネネがこちらに向かって来るバグラ軍を見付け、一同はこの場から離れた。

その間にヴァンパイアと呼ばれるこの国のデスジェネラルを倒すと言う話が持ち上がった。しかし、城にはバリアが掛かっているとの事。



「――…よし、レディデビモンに変装するんだ。そうすれば城の中に入ってバリアを解除出来るかもしれない」

「バリアを解除したら合図を送れ。デスジェネラルの首は俺が取る」



キリハの言葉が癇に障ったシャウトモンだったが、コユリがそれを宥(なだ)める。そしてタイキの提案により、城の中と外、両方から敵を叩くという事に決まった。





絶対的な夜の世界





------(11/09/09)------
それ程中身の無い話に((殴 そしていつもより短くなってしまった;

来月から第三期ですが、何て略せばいいのでしょうか……。候補は時駆け・時ハン・ハンター編の3つですかね(´ω`)





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