コユリとキリハはデータの狭間を移動しながら次のゾーンへと向かっていた。その時、周りに浮いていたゾーンがゆっくりと動き、近くに浮いていたゾーンと結合し始めた。



「!」

「誰かが最後のコードクラウンを手にしたんだ」

「えっ?」

「全てのコードクラウンの持ち主が決まった事によってDWは変革を始めた。結合され始めているのはコードクラウンの所有数が一番多いタイキのゾーンの様だな」

「あっ、本当だ」



――…今しか無い、か……。

結果がどちらに転ぼうとこの想いは決して揺るぎはしない。キリハはもう一度己に言い聞かせ、意を決して口を開いた。



「……コユリ」

「うん?」



結合して行くゾーンを物珍しそうに眺めていたコユリが、艶(つや)やかな白銀の髪を靡(なび)かせながら振り返った。



「……俺は、」

「?」

「…俺は、お前が好きだ……!」

「っ…どうしたの?いきなり」



コユリは持ち前の鈍感と天然で、キリハの一世一代の告白を告白とは分からなかった様だ。その為、不思議そうに首を傾げる。



「私もキリハくんが……」

「俺は凛堂コユリという一人の人間が好きなんだ。……愛してる、そう言えば分かってくれるか?」

「ッ……!」



流石のコユリも、その言葉で漸(ようや)く意味が分かった。

――…キリハくんが私なんかを…?……キリハくんは友達として、仲間として好き。……でもっ…。

自問自答が繰り返され、コユリは言葉を詰まらせる。



「わ、私…私はっ……、」

「返事は、答えが出てからでいい」

「…う、うん……」



両者の様々な想いが渦巻く中、ソードゾーンへと降り立った。すぐ側には何も知らずに笑い合っているクロスハートがおり、コユリとキリハの出現に驚いている。

キリハが、タイキ達に今現在DWで起こっている事を伝えた。その直後タクティモンの声が周囲に轟き、天空から降ってきた巨大な塔と共にタクティモンが現れた。



「――…いざ勝負!壱の太刀……!」

「ッ……!行くぞ皆!」



タクティモンの先制攻撃の後、すぐさま各チームが勢力をデジクロスし、先にシャウトモンX5が攻撃を仕掛けた。だが、その背後から邪魔だと言わんばかりにデッカーグレイモンに攻撃されてしまったのだ。

一人でタクティモンを倒そうとするキリハだったが、ネネに言われ、三人で協力して戦う事に渋々承諾した。

言った本人であるネネは、コユリがキリハを説得すると思っていたが、いつもとは様子が違う事に気が付き、変わりにキリハを説得したのだった。



「ッ……」

「コユリ、今はアイツの事より戦いに集中しろ……!」

「っご、ごめん…ソリフィアモン」

「コユリ!俺とキリハで時間を稼ぐ!その隙にあの塔を破壊してくれ!」

「分かった!」



しかし、タクティモンはシャウトモンX5のメテオインパクトを軽々と止め、更に塔に向かっていたソリフィアモンを含めた三体を弐の太刀で地面に押さえ付けた。



「ッ……!」

「ソリフィアモン!」





揺るぎない想い





------(11/08/29)------
変な所で切ってしまってすみません(・ω・`)このまま続けたら長くなってしまうので……。ルーツァリモンは、出番が無いと思うので出しませんでした(殴)

第三期の事は気にせずに←予定通りここでキリハに告白させました。まあ第二期の終わり方によってコユリが返事をする時期が変わると思いますが……(´`;)





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