コユリは、キリハがダークナイトモンの部下になったと言う事が信じられないでいた。 タイキも同じ事を思ったが、スカルグレイモンとスカルサタモンの攻撃に逃げる事しか出来ず、ヒョウルモンは放心状態のコユリを背に乗せてピノッキモンの案内で逃げる。 そのまま工場の中に入り、ダストシュートとピノッキモンのお陰でダークナイトモンから逃げる事が出来た。 陽が沈んでいく中、タイキ達は焚火を囲んでこれからの事を話したが、キリハの事が相当ショックだった様でコユリだけは膝を抱えて黙っていた。 「コユリ、あんな坊主の為に気を揉むな」 「……うん」 「…なあコユリ。俺は、キリハが自分の意志でダークナイトモンの部下になったとは思えない。絶対に何か裏があると思うんだ」 「……タイキくん、」 「だからそんなに落ち込むな!俺達でアイツの目を覚まさせてやろうぜ!」 「…そう…だね、…私、頑張るから」 やっと少し笑ったコユリの姿に、タイキは一先ず安心した。 その時、ドルルモンが何かに気が付き、顔を上げると、スパロウモンがこちらに向かって飛んで来た。 スパロウモンの話によると、ネネがあの白い塔の牢獄に閉じ込められてしまい、タイキ達に助けを求めに来たとの事。更に話はダークナイトモンへと変わる。 「――…ダークネスローダー?」 「何なの、それ?」 「ッ……あの若僧、ダークネスローダーの復活が目的じゃったのか……!」 「ハクシンモン、何か知ってるのか?」 「……よう知っておる」 コユリの肩に乗っていたハクシンモンは臥(ふ)せ目がちにそう言った。タイキは詳しい話が聞きたかったのだが、ゼンジロウの言葉によって聞きそびれてしまった。 一同はネネの救出を最優先に考え、敵に見付からないようにハクシンモンの千里眼を駆使しながら静かに動きだした。 塔に近付き、タイキとコユリがスパロウモンに乗ってネネを助ける方向で纏まった時、背後から名を呼ばれた。 「工藤タイキ、凛堂コユリ、そこまでだ」 「キリハ……!」 「…っキリハくん、」 ハクシンモンはキリハの生気を全く感じない瞳に表情を顰め、ダークナイトモンに操られていると確証した。 それをコユリに伝えようとしたものの、ブルーフレアの攻撃の嵐にチャンスが無い。そして到頭(とうとう)囲まれてしまった。 躊躇無いキリハの姿を目の当たりにしたコユリは、その紅の瞳から大粒の涙を零した。 「キリハくんっ…目を覚まして!」 「……」 「こんなの、本当のキリハくんじゃない!」 「…俺じゃ…ない……?」 だが、コユリの涙の訴えもキリハに届きはしない。そして遂に怒りが頂点に達したタイキがキリハの元へと歩み出した。 「お前言っただろ…!俺は屈しない、このDWの全てを俺の力で変えるって!それにコユリを泣かせやがって…!大切なんじゃなかったのか!…目を覚ませ!!」 「ッ……!」 タイキは拳を振り上げ、キリハを思い切り殴り飛ばした。しかし、それを嘲笑いながらダークナイトモンが現れ、タイキ達に留めを刺せとキリハに命令した。 「仰せのままに……。俺達の青く燃える炎を見せてやれ……俺達は、ブルーフレアだ!!」 「ッ…キリハくん!」 術の解けたキリハは、トワイライトへと一斉攻撃をかけた。 「キリハ!お前元に……!」 「さっきのパンチ、中々効いたぜ!……それから、コユリ」 「!」 「すまない、またお前を泣かせてしまった」 「ううん、もう良いの」 「良くねーよ!今日こそ引き裂いてやる!」 ヒョウルモンは全く納得の行かない様子でキリハに飛び掛かろうとしたが、そこにリリスモン率いるバグラ軍が現れ、お預けとなってしまった。 その苛立ちをバグラ軍とトワイライトへぶつけるべく、ヒョウルモンはコユリに言った。 「コユリ、デジクロスだ!」 「うん!…ピュアグロウ、デジクロス!!」 涙の先にあるもの ------(11/08/26)------ 自分でも思います。中途半端な所で終わらせたってorz 思いの外長くなりそうだったので、切りましたが……本当に中途半端ですね← 次回からはコユリとキリハのターン!(笑) |